2011年5月11日水曜日

政府の復興構想会議が視察 五百旗頭議長、「サポートしていきたい」

(東海新報 5月8日)

政府の「東日本大震災復興構想会議」の
五百旗頭真議長(防衛大学校長)らメンバーが7日、
大船渡、陸前高田の両市を現地視察。

地元の両市長は、津波浸水地域に対する公的資金による補償や
国の一時買い上げなどを要望。
被災状況を聞き、惨状を目の当たりにした五百旗頭議長は、
「今の時代は、人智を尽くせばできることがいろいろある。
素晴らしい街を立派に再建することが、日本社会に求められている。
復興会議としても、しっかりサポートしていきたい」、
何を緊急にやるかを詰め、6月中に第1次提言を行い、
復興に向けた指針策定のための全体像を答申する。

視察は、委員の河田惠昭(関西大学社会安全学部長・教授)、
高成田亨(仙台大学教授)、中鉢良治(ソニー㈱代表執行役副会長)を
含む4氏が訪れた。

県庁で達増知事と会談後、大船渡市役所に到着し、
戸田公明市長と意見交換。
戸田市長は、浸水地域の市民の所有地を公的資金で補償を求め、
漁業者への国家支援と持続可能な漁業、
被災企業や個人事業者への支援、
第2次補正予算のスピード成立の4項目を要望。

五百旗頭議長は、戸田市長が提言した持続可能な漁業について
詳しく訪ね、河田委員が崩壊した大船渡湾口防波堤について、
「湾口防波堤を無くすより、大きく整備拡充するのがいいのでは」と言及。
同市長は、「今後も何度となくやってくる中小の津波に、
湾口防波堤と防潮堤で十分対応できる。
大きな津波に対しては、浸水地域に人が住むのをやめるようにしたい」

河田委員によると、大船渡湾口防波堤は世界で初めての湾口防波堤で、
今回の大津波でも下部は残っている。
戸田市長は、「人が死なない、家が流されないまちづくりが一番大切
一行は、大船渡中の避難所から津波浸水地域を視察。

陸前高田市災害対策本部では、戸羽太市長と意見交換し、
高田松原周辺を視察。
同市長は、三陸縦貫道の早期全線整備はじめ、
津波浸水区域の国による一時買い上げ、住宅ローン支払い中に
新築する場合の二重ローン対策、自営業者(商店主など)への
失業補償について要望。

復興構想会議は、被災地域の復興に向けた指針策定のための
復興構想について、内閣総理大臣の諮問に基づき、
審議を行うために先月設置。
有識者15人で構成、達増知事もメンバー。

各メンバーは今月2日から福島、宮城、岩手を順次視察。
五百旗頭議長が、「これほどの凄まじさとは。
特に陸前高田市の場合は、この世の姿とは思えない惨状。
古い時代には高台に逃げるというほかなかったが、
今の時代には高台移転や堅牢な建物を建てるなど、
人智を尽くせばできることがいろいろある。
素晴らしい町を立派に再建するということが、日本社会に求められている。
復興会議としても、立て直そうと言う意思を持つ人々を
しっかりサポートしていきたい」

3県を視察した感想では、
置かれた状況が、どこも違うことが最も衝撃的。
相談しながら、何を緊急にやるかを詰めていきたい」、
復興を考える上で、「地元の人たちがどういうことを考えているかが
一番大事な土台だと思っており、その意味で三つの県を訪ねて、
すさまじい悲惨さと共に多様性を見ることができたことは非常に貴重な土台。
6月に全体像を示し、第1次提言を行う」

答申の中の第1次提言は6月中に行うが、
「特に急がなければならないと判断した場合には、
5月中に緊急提言を行うこともある」

http://www.tohkaishimpo.com/

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