2008年4月3日木曜日

博物館の達人・寺本さん(気仙中) 念願の野依賞に気仙で初、県内2人目

(東海新報 4月1日)

独立行政法人・国立科学博物館の「めざせ!博物館の達人」に
認定された寺本沙也加さん(13)=陸前高田市立気仙中学校2年=が
「野依科学奨励賞」を受賞。

広田湾の貝を研究した小論文が優れた内容と認められ、
気仙で初、県内でも二人目の栄えある受賞。
寺本さんは、「受賞はうれしく、達成感を感じた」と、
今後の研究へ意欲を見せている。

国立科学博物館は、博物館を通して“調べる”学習に取り組む
小中学生を支援しようと、平成14年から「博物館の達人」を実施。
優れた小論文には、ノーベル化学賞受賞者・野依良治博士の協力を受け、
野依科学奨励賞」を贈っている。

寺本さんは、海と貝のミュージアムの勧めを受け、達人に応募。
『広田湾の磯に住む貝の研究』として、広田湾の磯八カ所で、
春、夏、秋、冬の合計32回、ムラサキインコ(またはムラサキイガイ)という
貝が密集した2枚貝床にすむ生物の種類や数を調査。
2枚貝床が1年を通して穏やかな環境で、数多くの生物のすみかであると証明。

研究成果が認められ、気仙で2人目、
ミュージアムからは初の達人となった寺本さん。
その内容は、「10センチ四方の二枚貝床の中に、
多くの動物が生活しているという貴重な記録。
8地点で、年4回のサンプル分析による努力も素晴らしい」と
審査員から高く評価され、「野依科学奨励賞」に選ばれた。

国立科学博物館で開かれた授賞式には、
研究を支えてくれた家族と共に出席。
全国から選ばれた10組の受賞者らとともに、
野依博士から賞状と記念の楯を受け取り、
寺本さんは研究を継続する大切さを改めて感じたという。

指導にあたったミュージアムの熊谷賢主任学芸員は、
「観察のデータは申し分なく、あとはどうまとめるかであり、
本人が一番大変だったと思う。
今後も、子どもたちが研究に取り組める環境づくりに一層努めていきたい」。
気仙で初、県内でも2人目の受賞に、
寺本さんは「貝の個体数三万個を数えるのは大変でしたが、
微小貝について調べたいという興味も出てきました。
時間があればまた受賞できるよう挑戦したい」。

http://www.tohkaishimpo.com/

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