2008年4月3日木曜日

県立住田病院、4月から地域診療センターに

(東海新報 3月30日)

住田町の県立住田病院(佐藤芳行院長)は、4月1日から診療所化され、
県立大船渡病院附属住田地域診療センター」となる。
気仙保健医療圏の広域基幹病院である県立大船渡病院(八島良幸院長)
との連携を一層強めながら、診療体制の維持充実を図る。

県立病院全体の累積赤字がかさむ中、県医療局は16年度から
5カ年間を実行期間とする「県立病院改革基本プラン案」を作成。
診療所化はこれに伴うもので、18年度に紫波と花泉、
19年度に大迫と伊保内の各病院ですでに実施。
今回の住田の診療所化が最後。

当初は無床化の計画もあったが、町民らの反対により、
現在ある65床のうち19床を残す。
常勤医による内科と外科の外来診療をはじめ、
大船渡病院や開業医の応援で行っている循環器や小児科、耳鼻咽喉科
などの診療は現行通り維持される見通し。

しかし、1日発令の県立病院人事で、
佐藤院長が沼宮内病院長に転出することが決定、
常勤医は3人から2人に減ることに。
県医療局では診療所化に際し、住民説明会などの場で常勤医3人体制を
維持していくと重ねて示してきたが、
改めて医師確保の厳しい現状が浮き彫り。
後任のセンター長には、加藤貞之副院長兼外科長が就く。

世田米地区の70代女性は、「医師が少なくなるのはやむをえないとしても、
いまの形だけは保ってもらわないと、通院している人みんなが困る」。

町と町議会、町民有志でつくる「県立住田病院の無床化に反対し
診療体制の強化・充実を求める会」(泉秀雄会長)は今年1月、
医療局に対し、診療所化後の診療体制や訪問サービスの
維持充実などを要望。

町は2月に広報でも同様の内容を訴え、
「新たな縮小計画が出ないとも限らず、これからも動向を注視していく」。

住田病院は、昭和6年に初の県立診療所として開設された
県立世田米診療所が前身。
昭和17年に県立病院第1号の「県立世田米病院」となり、
その後、現在の県立住田病院へと移行。

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