2011年7月11日月曜日

東北大学加齢医学研究所が新事業 研究所内にフィットネスクラブを設置

(日経ヘルス 6月15日)

東北大学加齢医学研究所は、
研究所内に民間のフィットネスクラブなどを誘致して、
認知機能への効果を評価する産学協同の研究事業を始める。

第一弾として6月14日に、フィットネスチェーンのカーブスジャパンが、
同研究所内に店舗をオープン。
国立大学の学内に、共同研究のための民間施設が設置されるのは国内初。

高齢化が進む我が国において、高齢者の健康維持は国家的な課題。
中でも重視されるのが、認知症の予防。
同研究所は、認知機能を中心とする加齢研究および対策の拠点として、
09年にスマートエイジング国際共同研究センターを開設
(センター長:川島隆太・東北大学教授)。
このセンターが、今回の共同研究を進める。

川島教授によると、認知機能の維持には「認知的刺激」、「運動」、「栄養」、
「社会との関わり」という四つの要素が重要。

「運動」を実践する場として、同センター内に「カーブス」店舗を開設。
通常の店舗と同様の営業を行いながら、店舗の会員と、
同センターが独自に募集するボランティア参加者(無料)を対象にして、
認知機能に対する運動の効果を評価する臨床研究を行う。

「カーブス」は、米国生まれのフィットネスチェーン。
トレーニングマシンを使った筋力アップメニューと、
その場ウオーキングなどの有酸素運動メニューを30秒ごとに
交互に繰り返す「サーキットトレーニング」プログラムが特徴。

運動負荷があまり強くないため、通常のフィットネスクラブでは
負担を感じる高齢者層に人気。
国内店舗数は、約1000カ所。
会員は女性限定のため、男性への効果は、同センターが募集する
ボランティア参加者を対象にした研究でカバー。

「認知的刺激」の要素としては、学習塾をフランチャイズ展開する
日本公文教育研究会が、9月にくもん学習療法センターを
同センター内にオープンする予定。
ここでも共同研究が行われる。
「栄養」面のパートナーも検討中。

「参加者がセンターに通うことで、『社会との関わり』も維持できる」
と川島教授。
民間企業と共同で地域住民向けのサービスを提供しながら、
研究を推進するスタイルは、予防医学分野の臨床研究のあり方として、
注目を集めそう。

http://nhpro.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20110615/111217/

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