2011年7月14日木曜日

新潟・熱中症対策 節電でも無理しないで 高齢者宅訪問で予防

(2011年6月29日 毎日新聞社)

暑い夏が近づいてきた。
新潟地方気象台によると、昨夏ほどの酷暑となる可能性は低いが、
平年以上の暑さになる確率は40%。
暑くなると懸念されるのが、熱中症。
今月26日までに全国で3709人、県内で50人が救急搬送。
今年は節電対策で、エアコンの使用抑制が呼びかけられているが、
保健師らは熱中症のリスクが高い高齢者宅を回るなど、
「体に無理をしてまで節電せず、しっかり対策をとってほしい」

◆地域で守る

昨夏、全国で1718人が熱中症で命を落とした。
県内では50人が死亡、1355人が救急搬送。
危険性が最も高いのが、高齢者。
死亡者の79%を、高齢者が占める。

「節電って言っても、暑いとできないこともある」。
新潟市西区役所の保健師、石川玲子さん(54)は、健康教育で
地域を回る中で、お年寄りのこんな声を聞いた。
石川さんは、「熱中症になるくらいなら、エアコンをつけて」。

高齢者は若者に比べ、体内の水分量が少ないうえ、暑さへの感覚、
調整機能が低く、室内にいても熱中症になる危険性が。

同区役所は昨年8月、熱中症予防のための高齢者宅の訪問活動を始め、
今年もすでに取り組んでいる。
同区に住む65歳以上の高齢者は、約3万6000人。
保健師14人ですべてを回ることはできないため、特にリスクの高い、
80歳以上の1人暮らし、夫婦2人暮らしを対象。
エアコンと扇風機の適切な使用方法を教えたり、こまめな水分補給など
予防法が書かれたチラシを配っている。
石川さんは、「お年寄りには、なかなか情報が入らない。
地域のみんなで守ることが大事」

◆こまめに休憩

働く人の中でリスクが高いのは、炎天下での作業が多い建設業と、
空気のこもりやすい工場内などに勤務する製造業。
昨夏は全国で、建設業で17人、製造業で9人の死者が出た。
県内では、職場での熱中症発生は33件、うち建設業が10件、製造業が7件。

今年は節電で、エアコンでの暑さ対策が困難になることを踏まえ、
新潟労働局は、業界団体に予防対策の実施を要請。
労働者の定期的な水分・塩分補給を徹底させることや、
気温が高くなる午後2~4時を中心に、こまめな休憩をとらせるなどの
対策を求めている。
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◇熱中症を防ぐために気を付けたいこと(県のホームページより抜粋)

▽ブラインドやすだれを垂らし、扇風機やエアコンを使うなど暑さを避ける。

▽のどが渇く前、暑いところに出る前、こまめに水分を補給。

▽汗をかいたとき、スポーツドリンクや食塩水を飲み、水分と一緒に塩分も補給。

▽高齢者は、温度に対する感覚が弱く、のどが渇いていなくても水分を補給し、
部屋の温度をこまめに測る。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/6/29/138719/

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