(2010年2月1日 共同通信社)
幹細胞が、骨の細胞へ成長している途中で、
成長を妨げる遺伝子を導入し、
骨ではなく脂肪の細胞にする実験に成功したと、
田畑泰彦・京都大教授(生体組織工学)らが明らかに。
再生医療には、新型万能細胞「iPS細胞」などの利用が期待、
田畑教授らの方法は、治療に使うなど目的の細胞を作る
新たな方法となる可能性がある。
遺伝子の"運び屋"には、効率は良いが、毒性や免疫反応が
懸念されるウイルスではなく、細胞が普段栄養として取り込む
糖を利用し、比較的安全性が高い方法。
田畑教授らは、ラット骨髄から「間葉系幹細胞」を採取して実験。
幹細胞は、「TAZ」というタンパク質の影響を受け、
脂肪になるのが抑制され、骨になるよう促されやすい。
TAZを作る遺伝子の働きを妨げるため、
「RNA干渉」という方法を利用。
幹細胞に、「siRNA」遺伝子を導入すると、
細胞内でTAZの合成が約1週間、阻害。
約2週間後、脂肪細胞に特有の酵素が検出され、
細胞の中に脂肪の塊ができているのを確認。
siRNAは、細胞に取り込まれやすいよう改良した
糖類に載せて導入。
田畑教授によると、人間の体内の間葉系幹細胞は、
骨や脂肪のほか、筋肉、軟骨などになる能力があるが、
骨髄から取った幹細胞は骨になりやすいといった傾向。
田畑教授は、「路線変更をさせる方法を応用すると、
取りやすい場所にある幹細胞から、目的の細胞を効率よく
作ることができる可能性がある」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/1/115285/
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