(日経 1月19日)
ロジカルシンキングの基本的な思考技術の1つ、
MECEとは、Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive。
「あるものの重なりをなくし、全体としてモレのない集合体にする」、
「モレなく、かつダブりのない」状態を意味。
会社の社員を、MECEに分けてみる。
性別や入社年度別などの分け方が思い浮かぶ。
このように分けると、MECEを実現できる。
こうした考え方は、問題解決や説得など幅広い場面で効果を発揮。
前回紹介した「枠組み」という手法は、考えようとしていることの全体を、
MECEに分けたもの。
モレやダブりがあるようでは、考えの全体像を把握したとはいえない。
問題解決の場面でも考えてみる。
不良在庫が多いという問題を解決したい時、
どんな不良在庫が多いか調べないと、効果的な解決策に至らない。
調べる時、モレがあったら、重要なポイントを見落とす恐れ。
逆にダブりがあったら、効率よく不良在庫を調べられない。
MECEという考え方を活用していけば、
問題を効果的・効率的に把握できる。
説得でも同様。
相手の知りたいことが分からない、つまりモレのある状態で
説得しようとしても、相手がその内容に納得することはない。
内容がダブっているような説明も、説得力に欠ける。
ダブった部分に注意が引き寄せられ、
相手が誤った理解をしてしまう恐れがある。
MECEは、問題解決や説得を行っていく上で基礎となる考え方。
MECEを実現する際のポイントとして、
考えられる要素をくりぬいていくのではなく、
一定の観点で全体を切っていく点。
くりぬきながら分けようとすると、モレが発生したりダブりが生じたり。
ある観点で切っていけば、分け方が的確であれば、
モレやダブりが生じることはない。
アパレルメーカーの売り上げを、
MECEに分ける場面で考えてみる。
「インナー」、「アウター」、「ニット」、「アクセサリー」など、
思いついた要素でくりぬいていくと、どうなるか。
「ボトムスに入るものがない」(モレがある)、
「ニット製のアウターはどこに入るのか」(ダブりがある)など、
モレやダブりが生じる可能性。
これを「1000円未満」、「1000~5000円」、「5000円超」と
商品価格帯という一定の観点で切るように分ければ、
モレやダブりは生じない。
MECEに分けるといっても、様々な方法が。
アパレルメーカーの売り上げについて、顧客の性別や年代別、
商品の価格帯別、購入時間帯別など、
MECEに分ける観点を挙げれば切りがない。
重要なのは、どの観点で分けるとよいのかといった
正解を探すことではなく、こうした様々な観点をもって見ていく。
何となく状況を見たり、目についたものだけ重点的に
分析するのではなく、多様な観点でMECEに分け、
客観的に状況をとらえていく姿勢が問題の本質をつかんだり、
説得のポイントをクリアにしたりすることにつながる。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz100119.html
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