2010年2月9日火曜日

脳内の酵素、神経分化促す 名古屋大、仕組み解明に光

(2010年2月1日 共同通信社)

神経のもとになる幹細胞は、脳内の「NLK」という
リン酸化酵素の働きによって神経細胞に分化することを、
名古屋大の伊藤素行・特任准教授らが千葉大、九州大との
共同研究で突き止め、1日付「Nature Cell Biology」電子版に発表。

謎の多い神経幹細胞の分化の仕組み解明に役立つ発見。
将来は脳梗塞や、パーキンソン病など神経機能の低下によって
起こる病気の治療に役立つ可能性がある。

NLKが、神経の形成にかかわりがあることは既に分かっており、
伊藤氏らは今回、培養細胞を使った試験管内の実験で
より詳細な働きを分析。

神経幹細胞は、「Notch」というタンパク質の働きで、
一部を未分化のまま維持しながら段階的に分化し、
感覚神経や運動神経などを形成するが、
NLKはこのタンパク質の働きを阻害し、
幹細胞の分化を促していることが判明。

NLKの機能を失わせると、分化しない幹細胞を維持できた。
神経細胞は、一度傷つくと修復が非常に難しいため、
NLKを使って神経幹細胞の分化を制御できれば、
再生医療への応用が期待できる。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/1/115283/

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