2010年2月12日金曜日

仕事に役立つロジカルシンキング(4) 問題解決への手順

(日経 1月27日)

今回から4回、問題解決を行う際のポイントについて。
ビジネスシーンは、問題解決の連続としてとらえられる。
売り上げが目標に達しない、顧客からクレームを受ける、
プロジェクトが進まない——。

これらの問題を解決していくのが、私たちの仕事の大部分。
目に見える課題に直面していなかったとしても、
私たちは現状をよりよくするための方策を考えている。

さらに売り上げを拡大するにはどうすればよいのか、
顧客満足をさらに高めたい、
プロジェクトをより効果的に進めたい、といったこと。
これらも一種の問題解決。

心がけたいのは、いきなり答えを考えようとするのではなく、
段階を踏んで解決策を導こうとする姿勢。

問題解決は、次の3つの段階に。
まず、解決すべき問題を明確にする段階
何に取り組むべきなのかを具体的に示す。

次に、問題を分析する段階。
なぜこうなったのかを掘り下げ、問題の構造をつかんでいく。

最後に、解決策を立案。
段階を踏むことによるメリットは2つ。
ひとつは、事前に問題の構造を分析するため、
本質的な解決策に迫れる点。
いきなり解決策を考えてしまうと、対症療法にとどまってしまいがち。

もうひとつは、おかしいと感じたら前の段階に立ち戻れる点。
すぐに修正できる。
段階を踏まずに解決策を出してしまうと、
成果が得られなかった場合、ゼロからやり直さなければならない。

最初の「解決すべき問題を明確にする」段階。
ここでは、問題は何かをとらえることが重要。

私たちは、「問題は何か」と問われると、
目についた悪い状況を思い浮かべがち。
自分の周囲で起きている問題は何か考えてみる。

「思うように仕事がはかどらない」、「報告が遅い」、
「必要な情報が共有されない」、「部下が思うように動かない」。
こうした状況のどれもが問題だと感じてしまう。

このようなとらえ方をしてしまうと、問題の本質を見失ってしまう。
どれから対応すればよいか分からなくなり、
結局、目についた順に場当たり的に対処することに。

ロジカルシンキングでは、
問題を「あるべき姿と現状とのギャップ」と定義。

悪そうな状況でも、あるべき姿と大きなギャップがなければ、
それは問題とは言えず、逆に一見悪くなさそうな状況でも、
あるべき姿と大きなギャップがあれば問題。

先ほど挙げたような状況において、あるべき姿を
「生産的に業務をこなしている」としていれば、
そのための情報や人員のスキル不足が問題に。

あるべき姿は、単に現状の好ましい状態を指すだけではない。
将来目指す姿と設定することも。

「5年後にシェアナンバーワン達成」をあるべき姿とすると、
それに達するために欠けているものを問題として設定。

あるべき姿の設定次第で、問題のとらえ方が変わる。
ここが問題の把握で重要なポイント。
問題は誰かから与えられるものではなく、
自分で見つけ出すもの。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz100126.html

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