(日経 1月27日)
今回から4回、問題解決を行う際のポイントについて。
ビジネスシーンは、問題解決の連続としてとらえられる。
売り上げが目標に達しない、顧客からクレームを受ける、
プロジェクトが進まない——。
これらの問題を解決していくのが、私たちの仕事の大部分。
目に見える課題に直面していなかったとしても、
私たちは現状をよりよくするための方策を考えている。
さらに売り上げを拡大するにはどうすればよいのか、
顧客満足をさらに高めたい、
プロジェクトをより効果的に進めたい、といったこと。
これらも一種の問題解決。
心がけたいのは、いきなり答えを考えようとするのではなく、
段階を踏んで解決策を導こうとする姿勢。
問題解決は、次の3つの段階に。
まず、解決すべき問題を明確にする段階。
何に取り組むべきなのかを具体的に示す。
次に、問題を分析する段階。
なぜこうなったのかを掘り下げ、問題の構造をつかんでいく。
最後に、解決策を立案。
段階を踏むことによるメリットは2つ。
ひとつは、事前に問題の構造を分析するため、
本質的な解決策に迫れる点。
いきなり解決策を考えてしまうと、対症療法にとどまってしまいがち。
もうひとつは、おかしいと感じたら前の段階に立ち戻れる点。
すぐに修正できる。
段階を踏まずに解決策を出してしまうと、
成果が得られなかった場合、ゼロからやり直さなければならない。
最初の「解決すべき問題を明確にする」段階。
ここでは、問題は何かをとらえることが重要。
私たちは、「問題は何か」と問われると、
目についた悪い状況を思い浮かべがち。
自分の周囲で起きている問題は何か考えてみる。
「思うように仕事がはかどらない」、「報告が遅い」、
「必要な情報が共有されない」、「部下が思うように動かない」。
こうした状況のどれもが問題だと感じてしまう。
このようなとらえ方をしてしまうと、問題の本質を見失ってしまう。
どれから対応すればよいか分からなくなり、
結局、目についた順に場当たり的に対処することに。
ロジカルシンキングでは、
問題を「あるべき姿と現状とのギャップ」と定義。
悪そうな状況でも、あるべき姿と大きなギャップがなければ、
それは問題とは言えず、逆に一見悪くなさそうな状況でも、
あるべき姿と大きなギャップがあれば問題。
先ほど挙げたような状況において、あるべき姿を
「生産的に業務をこなしている」としていれば、
そのための情報や人員のスキル不足が問題に。
あるべき姿は、単に現状の好ましい状態を指すだけではない。
将来目指す姿と設定することも。
「5年後にシェアナンバーワン達成」をあるべき姿とすると、
それに達するために欠けているものを問題として設定。
あるべき姿の設定次第で、問題のとらえ方が変わる。
ここが問題の把握で重要なポイント。
問題は誰かから与えられるものではなく、
自分で見つけ出すもの。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz100126.html
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