2010年10月19日火曜日

外国語苦手は生後14カ月の乳幼児から

(サイエンスポータル 2010年10月13日)

生後わずか14カ月で、日本人は早くも外国語の特徴が
聞き分けられなくなっていることが、
理化学研究所とフランスの国立科学研究センターによって明らか。

理化学研究所脳科学総合センター言語発達研究センターの
馬塚れい子チームリーダー、イボンヌ・カオ・テクニカルスタッフと、
フランスの国立科学研究センターのエマニュエル・デュプー教授、
アン・クリストフ教授らの共同研究による発見、
日本人が外国語をうまく聞き分けられない原因の解明にもつながる成果。

日本語の大きな特徴は、音節が子音と母音からなるのが当たり前で、
英語を初めとする外国語には珍しくない、子音が連続する音節はない。

多くの日本人が、外国語をいつまでたっても聞き取れない大きな理由は、
子音の連続する語なのに、一つ一つの子音に母音を入れてしまう
習慣が身についてしまったため。
こうした習慣は、たくさんの語いを覚え、文字を学んだりした
結果によると考えられていた。

研究グループは、生後約8カ月と生後約14カ月の日本人とフランス人の
乳幼児それぞれ24人に連続した子音が含まれる単語と、
同じ単語のそれぞれの子音の後に、
“日本語らしく”母音を挿入した単語を聞かせ、乳幼児の反応を調べた。

その結果、生後8カ月では日本人、フランス人いずれの乳幼児も、
両者の違いを聞き分けていたにもかかわらず、
生後14カ月になると、日本人の乳幼児だけが
区別できなくなっていることが明らか。

日本人の耳が、日本語だけに適応してしまっている例として、
日本でも多くの店がある「McDonald」が有名な言葉。

本来3音節の語だが、日本人の多くは
「ma.ku.do.na.ru.do(マ・ク・ド・ナ・ル・ド)」と、一つ一つの子音に
母音を付けて、6音節にしないと聞き取ることもできないし、
発音もできないのが実態。

英語のどのような特性が日本人にとっての英語の習得に、
特に困難になるかが分かれば、その特性を克服するためには
どのような教え方をすればよいかが分かる。
小学校で導入される英語教育のありかたにも、参考になる知見。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/1010/1010131.html

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