2010年10月23日土曜日

歌やダンスが認知症予防? 元タカラジェンヌを研究

(2010年10月12日 共同通信社)

タカラジェンヌは、年を取っても認知能力が高い-。
宝塚歌劇団OGで、神戸大大学院医学研究科を修了した
桝谷多紀子さん(65)が、平均年齢80歳の宝塚OGの認知能力や
脳の機能を調べ、こんな結論をまとめた。

若いころに練習した歌やダンスなどが影響していると分析し、
国際医学雑誌に論文を発表。
専門家は、認知症予防策の解明につながる可能性もあるとみて注目。

桝谷さんによると、きっかけは宝塚OGとの交流。
「健康で生き生きしているのは、かつての厳しいけいこが
影響しているのではないか」

学問的に証明したい、と4年前に研究を始めた。

無作為に選んだOG組織「宝友会」会員と一般女性の計124人に
言葉の復唱や計算をしてもらい、認知症の診断基準となる
認知機能を数値化(30点満点)。

10年以上、舞台に向けて歌やバレエなどに集中的に取り組んだOGは、
一般女性と比べ、平均点が1・6点高く、統計学上明確な差が認められた。

精神状態に関するアンケートでは、OGはうつ状態になりにくい
傾向にあることが判明。
MRIで調べた脳の海馬の容積も、宝塚OGの平均値が
一般女性を上回っていた。
海馬の萎縮は、認知症やアルツハイマーとの関連が指摘。

神戸学院大の前田潔教授(精神医学)は、
「若いころ、音楽や踊りに集中することが認知症の予防に役立つ
可能性を示唆し、意義は大きい」と評価。

桝谷さんは、「薬や手術だけが医学ではない。
芸術活動が、健康や生きがいにも役立っていると伝えたい

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/10/12/126748/

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