2010年12月24日金曜日

小学校受験(3)女子校「理念」で選ぶ

(読売 12月18日)

教室に2列に並べられた机に、母親と女の子が向き合い、
色とりどりの薄紙や割り箸を使って、花束を作っていた。
「次はどの色を使おうか?」と母親、
「このピンクがいいなあ」と娘。
一緒に手を動かしながら目と目を合わせ、にこやかに会話をしていた。

「幼児教育実践研究所・こぐま会」本部のある恵比寿本校での
行動観察の授業。
東京女学館小学校(同)を志望する年長クラスで、
入試で行われる「母子活動」に対応したもの。

年長は週2回、「基本」と「志望校別」の授業を1コマ(90分)ずつ、
計2コマ受けるのが平均的。
費用は、月額8万~10万円。
女学館小のクラスは、「志望校別」の3分の1を母子活動にあてている。

講師の桜井紀子さん(57)は、「女子校は、行動観察や面接で
母子関係の良好さを見る傾向が強い。
その意味で、親子一緒に工作や踊りなどを行う母子活動は
象徴的な試験。
出来不出来でなく、話し合い、協力して取り組めるかが問われる」

こぐま会では、1983年の設立以来、小学校での学習にスムーズに
進むための教育に重点を置く。
独自に開発した指導方法で、物に触れたり体を動かしたりしながら、
前後、左右といった位置関係を認識・言語化するなど、
体験を通した学びを行っている。

「発達段階に応じた教育が基本。
小学校受験は、その成果を試すきっかけに過ぎない」と、久野泰可代表(62)。
都内に展開する3校に通う約8割が女子だが、
「会の教育方針に基づいて指導してきた結果、
女子校受験で実績を上げ、女子が多数を占めるようになった」

進路指導担当の広瀬亜利子・第1教務部長(52)は、
「女子校は、求める家庭環境が明確で、
特に母親の教育参加を重視する学校が多い。
本人の性格や親の考え方が合わないと、学び続けることが困難に。
校風や教育理念を理解して、志望校を選ぶよう指導している

長女が女学館小1年の母親(40)(品川区)は、
「一人っ子で大人しく、男の子と一緒に学ぶのは向いていない」と考え、
女子校受験を決めた。
年中の春からこぐま会に通い、10校ほどの説明会に足を運んだ。
女学館にしたのは、「国際理解や伝統文化教育に共感したし、
何よりも学校の雰囲気が娘に合っていると感じたから」

学校選びの原点が、女子校受験で問われている。

◆メモ


こぐま会によると、雙葉小(千代田区)、聖心女子学院初等科(同港区)
などの名門女子校入試では、ペーパー試験や行動観察などのほか、
両親の面接が実施される。
学校の教育方針、校風理解のほか、しつけや家庭教育、
わが子の性格、成長の把握など、母子関係や母親の役割を聞く
ケースが多い。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101218-OYT8T00172.htm

0 件のコメント: