2010年12月23日木曜日

小学校受験(2)働く母のため週末授業

(読売 12月17日)

「今日は、忍者の動きをしましょう。先生をよく見てくださいね」
忍者のお面をかぶった講師が、ゴムひもを跳び、
マットの上で転がってみせる。
その後、4、5歳児が1人ずつ、手本を懸命にまねしてゴールを目指す。

「アンテナ・プレスクール」原宿本校の年中クラスでは、
「指示行動」のグループレッスンが行われていた。

2002年開校、渋谷区内に2校を展開。
首都圏私立小で最難関とされる慶応義塾幼稚舎(同)や
早稲田実業学校初等部の合格実績で、知名度を上げてきた。
両校の11年度入学の出願倍率は10倍を超え、
中でも慶応幼稚舎の女子は20倍に近い。

「アンテナ」の石井至校長(45)は、
「過去問(過去に出された問題)を徹底的に分析し、
短時間で効率的に楽しく受験準備ができるよう工夫している」

「指示行動」や「行動観察」は、5~8人程度のグループで、
絵画・工作は原則、講師と一対一の個人レッスンで行う。
絵画・工作では、慶応幼稚舎や早実初等部対策として、
美術大学出身者が講師を務める。
3年保育の年少の秋から通い、年長は週1回、グループ、
個人レッスンを、各1コマ(50分)の計2コマ受講が多く、
費用は月額10万円程度。

ここの特徴は、働く母親のため、週末の授業を開講していること。
同校に通う子どもの母親の約4割が、フルタイムで働く。
「母親が仕事を持つと、お受験に不利と言われたのは過去のこと。
働く母親の方が時間を合理的に使い、集中できる面もある」と石井校長。
「家でお母さんが、何時間も勉強を見なくてもすむよう、
教室で力がつくようにしている」

大手企業に勤める東京都内の母親(41)は、
現在、早実初等部3年の長男を1年弱、同校に通わせた。
「最初は不安だったが、教室からアドバイスをもらい、
親子で頑張って、志望校に合格することができた。
母親としての自信にもつながった」と振り返る。

子育てや家庭教育に詳しい川島隆太・東北大学教授(51)(脳科学)は、
「今のお母さんは、忙しく、ストレスをためている場合が多いため、
子どもとのかかわりが表面的になっている」
子どもと過ごす時間の長さよりも、中身が重要。
遊びや料理などの共同作業で感動を共有したり、
勉強を見てあげてほめたり、ということを続けていくことが重要」

◆メモ

小学校の入試は、数量・図形や言語などから出題される「ペーパー試験」、
集団行動や遊びから仲間とのコミュニケーションができるかなどを
評価する「行動観察」、洋服をたたむなど身の回りのことができるかを見る
「生活習慣」、絵画・工作、「指示行動」などの運動、面接など。
どれを実施、重視するかなどは、学校によって異なる。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101217-OYT8T00178.htm

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