2010年12月23日木曜日

ノーベル賞:化学賞・根岸さんインタビュー 受賞確率1000万分の1、努力で高まる

(毎日 11月28日)

効率よく有機化合物を製造する手法を開発した業績で、
今年のノーベル化学賞に選ばれた
根岸英一・米パデュー大特別教授(75)。

現在、妻すみれさん(73)と帰国。
受賞確率は、「1000万分の1」と分析、
「努力で高められるので、宝くじと違う」と主張。
「人工的な光合成を実現したい」と意欲を示した。

「50年の夢がかなった」。
受賞発表直後、喜びをこう表現した。
渡米した60年秋、日本人受賞者は故湯川秀樹氏のみで、
ノーベル賞は「雲の上の存在」。
後に恩師となった米パデュー大のハーバート・ブラウン博士の
講演を聴き、「この人はノーベル賞をとる」と確信、門戸入り。
予想は、79年に現実となった。
授賞式に同行し、「ノーベル賞が目標として近くなった」と感じた。

20世紀に生きて死んだ人の数と過去の受賞者数から、
ノーベル賞に選ばれる確率は、「1000万分の1」に。
「低過ぎて宝くじに当たるような確率に思えるが、
1000万は10を7回かけ合わせた数。
10人中1位になる経験を、7回繰り返すと考えればいい」と
努力を継続する大切さを強調。

今後の研究テーマとして、「人工的な光合成の実現」を挙げた。
「食料やエネルギー問題の解決になり、地球温暖化対策で
炭酸ガスの排出をなくそうとするのもナンセンスになる。
論理的には可能なはずで、今世紀中にできなかったらおかしい」

ブラウン博士とは、たびたび意見が対立し、
「お前みたいに、自分に反論する日本人は初めて」と言われた。
他の著名研究者の論文の誤りを何度か指摘し、
その正しさが証明されるにつれ、次第に信頼を寄せられるようになった。
若手研究者には、「人のまねから本質的に抜け出すよう、
心がけてほしい」と助言。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/11/28/20101128ddm041040055000c.html

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