2010年12月25日土曜日

強い蚊と苦闘、急成長 インドネシアでフマキラー 「アジアビジネス」

(2010年12月17日 共同通信社)

デング熱やマラリアを媒介する蚊が生息する熱帯の国インドネシアに、
日本の殺虫剤メーカーのフマキラー(東京)が進出して20年。
日本に比べ、殺虫薬への抵抗力が非常に強い蚊に悪戦苦闘しつつも、
地道な営業努力などで主力商品である蚊取り線香の売り上げを伸ばし、
経常利益を5年間で18倍に増やした、という急成長ぶり。

「この国の蚊は、日本より5~10倍も薬への抵抗力があり、
日本向けの蚊取り線香はほとんど効かないことが、
2004年に分かった」とフマキラー・インドネシアの山下修作社長。

05年から、薬剤成分の濃度をコスト的に限界となる他社製品の
2倍まで上げた。
「蚊が強すぎて、消費者が実際に蚊取り線香を使う際、
効力の違いをそれほど体感できない」(山下さん)という壁に。

実際、殺虫効果は高いことを知ってもらうため08年から、
同国で最大の人口を抱えるジャワ島内の田舎の露店を
1軒ずつ地道に回るキャラバンセールを開始。
車両約50台を投入し、住民への試供品などきめ細かい営業を
展開し、コスト削減にも力を入れた。

その結果、同国全体の売上高は急増。
15年、売上高をさらに5倍に増やす野心的計画も立てる。

山下さんは、日本の衛生用品大手メーカーで、
インドネシアなどでの事業を立ち上げた経歴を買われ、
同社退職後の03年にフマキラーに部長職で入社。
インドネシアでの成功を高く評価、09年から同社ナンバー3の
東京本社の専務も兼任する。

人口約2億3千万人のインドネシアでは、
内需主導の経済成長が順調。
平均気温が高く、一年中蚊取り線香の需要もある。

山下さんは、「今後、蚊取り線香すら買えなかった貧困層が
買えるようになる。
今、蚊取り線香を買っている人は、電気蚊取りやスプレーを
買えるようになる。
伸び悩む日本市場に比べ、非常に有望だ」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/17/129970/

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