2011年1月11日火曜日

りんくうタウン「医療観光」拠点に…大阪府

(2011年1月5日 読売新聞)

大阪府は新年度から、関西空港対岸の「りんくうタウン」
(泉佐野市など)で、観光と先端医療をセットにして
外国人旅行者を呼び込む「医療ツーリズム」の拠点作りをスタート。

進出医療機関への財政支援に加え、国の総合特区制度の指定を受け、
税の軽減やがん病床の増設など独自の規制緩和策も進める方針。
国際空港の目の前という立地を生かし、
なお空き地が残る同タウンを「医療の街」として売り出す。

同タウン内には、すでに国際外来を持ち、
約60人の医療通訳を擁する泉佐野市立泉佐野病院や、
がん治療などに定評がある「ゲートタワーIGTクリニック」が立地。
2010年4~11月、同病院で医療通訳を利用した約500人の大半は、
急病患者か在日の外国人。

府は、観光業者に同病院の健診サービスなどをPRする方策を検討。
タウン内に、新たな医療機関や医療通訳を養成する専門学校が
進出する場合、補助金拠出などの優遇策も講じる方針。

府と泉佐野市は、同タウンを国際医療交流拠点とする
総合特区構想を国に提案。
国は、今夏にも指定地域を決める見通しだが、
橋下徹知事は、「りんくうタウンは、関空前の一等地で潜在能力は高い。
医療ツーリズムは大阪の成長戦略の要で、絶対に(特区を)勝ち取りたい」

◆医療目的来日 2020年43万人の試算も

先端医療を目的に来日する外国人は増加傾向にあり、
日本政策投資銀行の試算では、2020年の潜在需要は、
中国やロシア、米国人を中心に年43万人、市場規模は5500億円。

政府も、新成長戦略の一環に位置づけ、今月から、医療目的で入国する
外国人と付添人向けに、「医療滞在査証(ビザ)」を創設、
6か月在留できるようにした。

各地の取り組みも活発化。
徳島県は昨年3月、徳島大病院などでの糖尿病検診と観光が
セットのツアーをスタート。
3回企画し、計51人が参加。
神戸市のポートアイランドでも、国内外の患者に生体肝移植などを行う
施設の構想がある。

「国内の医師不足の深刻化を招く」との指摘や、海外で流行する
多剤耐性菌が持ち込まれる可能性を懸念する声も。

◆りんくうタウン

関西空港開港に合わせ、大阪府が約5700億円を投じて造成した
318ヘクタールの産業用地。
2003年度、格安の賃貸方式を本格導入、
ショッピングセンターなどが相次ぎ進出したが、現在も10%は未契約。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/1/5/130566/

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