2011年1月10日月曜日

スズメバチが「太陽光発電」 海外の研究チームが発見

(朝日 2010年12月30日)

太陽光を使って、活動のエネルギーを作っている可能性のある
「ソーラースズメバチ」ともいうべき、ハチが見つかった。

イスラエル・テルアビブ大などのチームが、ドイツの専門誌12月号に発表。
体の表皮に、太陽電池に適した構造を持っていた。
光合成をする植物や微生物のように、
太陽光を直接利用する動物の発見は初めて。

このスズメバチは、アフリカから南アジアにかけて分布する
「オリエンタル・ホーネット」。
地面に穴を掘って巣を作り、人間の皮膚に日焼けを起こす
紫外線(UVB)が強い昼間に、活動が活発になる習性があった。

このハチの背中の表皮を調べると、光を吸収せず透過させる
溝のようなものがあった。
チョウの羽に、色を付けたりする黄色い特殊な色素も含まれていた。
この特徴を参考に、「色素増感型」と呼ばれる太陽電池を試作すると、
効率約0・3%で光のエネルギーが電気エネルギーに変換。

チームのマリアン・プロトキンさんによると、
ハチの黄色いしまに、数百ミリボルトの電圧が発生していることもわかった。

約11%のエネルギー効率を持つ人工の色素増感型太陽電池に比べ、
効率はぐっと低く、電気が発生する仕組みはよくわかっていない。

エネルギー源の多くは食物と考えられるが、
プロトキンさんは、「電気エネルギーが代謝を進め、
スズメバチの昼間の活動を助けているようだ」

http://www.asahi.com/science/update/1229/TKY201012290266.html

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