2011年1月12日水曜日

国語力を鍛える(3)互いに批評 言葉に磨き

(読売 1月7日)

書き上げたエッセーの原稿を手に、伝えたかったことを友だちに話す。
話を聞いた友だちは、気に入った表現などを付箋に書き、
原稿に張りつけていく。

横浜市立並木中央小学校で行われた6年生の国語の授業。
子どもたちは、岸田薫・主幹教諭(38)の指示で班に分かれ、
卒業文集に載せるエッセーを批評し合った。

「エッセーの内容や表現について、友だちと交流し、
自分に身についた力を確かめるのが目的」

6年間大切に使ったランドセルへの感謝の気持ちをつづった
宮崎霞さん(11)は、「文章を半分に縮めるのに苦労した。
一つも比喩を使っていないことに気がついたので、
今度は友だちのように使ってみたい」

横浜市初の再編統合校として、2006年に開校した同小は、
豊かなコミュニケーション力の育成を目標に掲げ、
第一歩として07年から、国語力を高める教科指導に力を入れる。

酒井宏校長(57)は、「自己を確立し、個性や感性を映し出す
基盤となるのは日本語の力。
コミュニケーション手段として英語は有効だが、まずは国語力を鍛え、
自分の考えをしっかり持つことを優先すべきだ」

身につけたい力、言語活動、教材を結びつけて単元づくりをするため、
「単元プラン凝縮シート」を独自に開発。
研究推進委員長の岸田主幹教諭は、
「児童の実態を把握し、まずは身につけたい力を明確にする。
その上で、教材と言語活動を設定して単元を作る。
同じ学年でも、クラスによって活動や教材が違うこともある」

6年間を見通した系統性も欠かせない。
高学年で「書評」を書く場合、その前に「推薦文」、さらに前には
「紹介文」を書いていなければならない。

岸田主幹教諭が、子どもたちの変化を意識したのは、11月中旬。
単元のまとめとして、クラス全体での交流を行った時。
教師の指名がなくても、子どもたちの発言は途切れず、
約20分間にわたって活発な意見が飛び交った。

「1学期には、付箋やノートに事前に意見をまとめ、
少人数の班の中でしか発表できない子が多かった。
児童が主体的に活動したいという思いが高まり、
学習の雰囲気も良くなった」

自ら考え、他人とかかわり、つながり合う力の基盤として、
確かな国語の力が育まれている。

◆並木中央小の単元プラン凝縮シートの項目

▽単元を通して児童に身につけたい力
▽重点化した領域と指導事項
▽設定した言語活動と選んだわけ、既習経験
▽選択した教材と選んだわけ
▽単元と部会テーマのかかわり
▽単元における「チャレンジ」の部分
▽授業の見どころ
▽指導でアイデアがほしいこと

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110107-OYT8T00150.htm

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