2011年1月12日水曜日

がん免疫強めるマクロファージ発見

(サイエンスポータル 2011年1月7日)

死んだがん細胞を食べて、がんに対する免疫機能も向上させる
新しいマクロファージを、理化学研究所免疫・アレルギー科学総合
アレルギーセンター自然免疫研究チームの田中正人・チームリーダー、
浅野謙一研究員らが発見。

このマクロファージの働きを強めることで、がん免疫を誘導する
新しい治療法につながる可能性がある。

田中チームリーダーらが見つけたマクロファージ
(CD169陽性マクロファージ)は、リンパ節の表面付近のリンパ流が
流れ込む場所にわずかに存在。

マウスを使った実験で、CD169陽性マクロファージが、
死んだがん細胞をリンパ節の入り口で待ち構え効率よく食べてしまい、
さらにがん細胞を直接攻撃する細胞傷害性T細胞(キラーT細胞)に、
がん細胞の情報を伝え、がん細胞を殺すよう指令を出していることも分かった。

放射線照射などによって、がん細胞を殺すと、
死んだがん細胞を認識して、がんに対する免疫力が強まる。
この現象を利用した治療法も試みられている。
マクロファージが死んだ細胞を食べるだけでなく、
免疫にかかわる抗原提示と呼ばれる働きを持つことも分かっていた。
なぜ、がん免疫を誘導するのか、具体的なメカニズムは解明されていなかった。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/1101/1101071.html

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