2011年2月11日金曜日

荒れない学校(4)親が参加 子ども変わる

(読売 1月29日)

「いつも小言ばかり言ってごめんね。
あなたを叱っている時、お母さんもつらくて悲しいんです」、

「スポーツ、勉強、恋愛、今しかできないことを、
めいっぱい楽しんでください。応援しています」

京都府舞鶴市立城北中学校の体育館。
同中PTA会長の長内加津美さん(44)が、全校生徒の前で、
保護者らが書いた手紙を読みながら、涙で声をつまらせていた。
全校合唱コンクール2日目の舞台。
手紙の紹介後、保護者ら約130人が壇上で合唱。

するとアンコールで、多くの生徒が壇上になだれ込んだ。
保護者らと300人近くで、「世界に一つだけの花」を合唱。
「『帰れ』、『うざい』と言われるかと少し怖かったが、
親たちの気持ちが伝わっているとうれしかった」、
指揮をしていた元PTA会長の船越正一さん(47)。

かつては、一部の生徒が授業を抜け出したり、
かっとなってトラブルを起こしたりと、落ち着かない学校だった。
雰囲気が変わり始めたのは、2008年、田中正信校長(56)が赴任、
PTA活動の活性化を、学校改善の取り組みの一つに位置づけてから。

親が生き生きと学校にかかわる姿を、子どもに見せるのがいいと考えた」、
田中校長は振り返る。

PTAが動き出した。
1年目は、活動への参加者を増やそうと、ソフトバレーボール大会や
学校周辺清掃への親子参加を積極的に呼びかけ、
手書きのビラなどでPR。
最初は反応が少なかったが、参加して楽しかったという声が
寄せられるようになった。

2年目、7、8年前に自然消滅していた地域の資源回収が
PTAの主導で復活。
親子で一緒に町内を回り、アルミ缶、新聞紙などを集めるなど、
活動が軌道に乗ってきた。
当時会長だった船越さんは、「親子の絆を深めるのが目標だった」

3年目の今年度、「学校へ行こう!キャンペーン」を目玉に。
授業参観に加え、希望者が全学級を見学する学校参観を年3回実施。
生徒会との意見交流会も開いた。

「親たちがきちんと見てくれていると感じる。
みんなも、盛り上がりと元気が出てきた」、
前生徒会長の3年千歳倫太郎さん(15)。
田中校長は、「保護者が温かく見守る中で、
子どもたちが自信を持って育ってくれれば」

保護者のかかわりが、学校に安定をもたらしている。

◆PTA

子どもの学校ごとに、保護者と教師で構成。
母親が仕事や介護で参加しにくくなる一方、
昨今は父親の積極参加が目立つ。
教員の多忙さ、役員の重い負担などから、
仕組みの見直しが求められている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110129-OYT8T00220.htm

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