2011年2月12日土曜日

「恐怖消す」プロセス解明 北大、脳内の作用部位発見

(2011年2月1日 共同通信社)

恐怖や不安の記憶を消し去る脳内マリフアナ
「内在性カンナビノイド」を伝達するシナプスを、
北海道大学医学研究科の渡辺雅彦教授(神経解剖学)のグループが
マウスの研究で突き止め、31日の米科学アカデミー紀要に発表。

脳内で作用するプロセスが、具体的に分かったのは初めて。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)の新薬開発などに
つながる可能性がある。

脳内では無数の神経細胞が結合しあい、シナプスが視覚や聴覚をはじめ、
さまざまな情報を伝達する役割を果たす。

研究グループによると、カンナビノイドを受け取るシナプスは、
恐怖や不安など、「負の感情」をつかさどる大脳の扁桃体の中の
「基底核」と呼ばれる部分にあった。
神経細胞に食い込むような特殊な形をし、「陥入型シナプス」と名付けた。

陥入型シナプス周辺の神経細胞には、カンナビノイドの合成酵素も集中。
神経細胞で生成されたカンナビノイドがシナプスに働きかけ、
基底核の活動を活発化させて、恐怖の記憶を消去している。

渡辺教授は、「カンナビノイドを含む薬は、食欲増進などに使われている。
プロセス解明によって、PTSDへの薬効に注目した新薬開発が進む
可能性がある」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/2/1/131852/

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