2011年7月18日月曜日

やる気の秘密(1)児童が教室レイアウト

(読売 5月11日)

教室に入ると、一風変わった景色が広がっていた。
埼玉県狭山市立堀兼小学校の4年2組。

黒板の脇には「おしゃべりスペース」、後方の窓際には
約1200冊の本が並ぶ畳敷きの図書コーナー、
先生の机は、教室後方の出入り口の横に。

担任の岩瀬直樹教諭(40)(現・同市立入間野小学校教諭)は、
担任になった昨年4月、子どもたちに「教室リフォーム」を呼びかけた。
自分たちが、居心地がよくて勉強したくなる教室。
殺風景だった部屋が、数時間で変わった。
その後も、整理棚や教室の掲示を、自分たちで工夫するのが日常に。

机の配置は、4人組が向かい合う形。
先生が話す時間より、子どもたち同士で話し合ったり、
教え合ったりする場面が多いため。

どの授業でも、その日のテーマや目標をはっきりと先生が伝えて共有。
算数などは、ポイントを先生が教えるが、その後は少人数に分かれ、
教室内で移動してもOK。
畳コーナーにも、輪ができる。

最後の5~10分は、必ず「振り返り」に使う。
目標が達成できたか、改善すべき点はあるかなどを確認しあい、
ミニテストにも使う大切な時間。

学習の「目標設定」と「振り返り」の先には、4月に数時間、
話し合って決めた「ニコニコハッピークラス」というクラス目標。
「男女の別がない」、「前向きなプラスの言葉をつかう」、「協力しあう」
といった話し合いの過程の付箋がついたまま、教室に掲げてある。

昨年7月のある授業の後、「クラスの力が一段上がった」と感じた
岩瀬教諭は、授業の振り返りに時間をとり、
出された意見を模造紙に書きこんだ。

「全員で分かろうとしてた」、「燃えた」、「できない人を放っておかない」、
「教える人も教わる人も集中!」。
いい授業はみんなの力で作るもの、という意識が次々に表れた。

岩瀬教諭は約10年前まで、「面白い授業で喜ばせる」ことに
必死になっていた。
自分が担任を離れた後で、子どもたちの様子を見て、
「ただ口を開けておいしいものを待つ、受け身の子どもたちを
育てていたのか」とがくぜんとした。
「学習の主役は子どもたちのはずだ」。
改革は、その思いから始まった。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110511-OYT8T00177.htm

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