2007年12月12日水曜日

新しい波/236 広がる人工芝/1 維持費も1/10以下

(毎日 4月7日)

初めてピッチに足を踏み入れた時、
サッカー元日本代表主将の宮本恒靖は戸惑った。
ボールの跳ね方が、天然芝とは違うような気がした。
移籍したオーストリア1部リーグ、ザルツブルクの本拠地
ブルズ・アリーナは人工芝。

このドイツ製の人工芝は、国際サッカー連盟(FIFA)の最高規格
「ツースター」の認定を受けていて、国際試合もできる。

同じ製品を国内で輸入販売しているのが、積水樹脂
「安全性だけでなく、初期と同じ状態でプレーできるよう耐久性も重視」。
葉茎に相当する部分が短く、
スライディングするとやけどが付き物だった「第1世代」、
クッション用の砂をまいてテニスコートなどに多用された「第2世代」を経て、
現在は丈の長い(5~6センチ)ロングパイルと呼ばれる「第3世代」が主流。

安全性や耐久性、プレー性が高まったことで、
ラグビーでも社会人や大学を中心に人工芝導入が相次いでいる。

国内トップシェアを誇る、住友ゴムグループ「SRIハイブリッド」の担当者は、
「市場は、倍々ゲームで伸びている」。
施工面積は、5万平方メートル(00年度)から10万(01年度)、20万(02年度)、
40万(03年度)、70万(04年度)、110万平方メートル(05、06年度)。
この2年間の件数は、170(05年度)から200(06年度)に。
市場規模は、100億~200億円。
人工芝は、サッカー場1面の場合、
施工費は天然芝の約3倍、1億~1億5000万円。

年間の維持費になると、1000万~1500万円の天然芝に対し、
人工芝は50万~100万円程度で済む、というのがセールスポイント。
サッカー、ラグビーの有力チームについては、ほぼ行き渡った。

次なるターゲットは、流行のフットサル。
「そして、学校の校庭が人工芝になると、面白い市場が形成される」
とあるメーカーの担当者。
今後の張り替え需要を含めると、
施工面積は年間140万平方メートルまで達する、と予測。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/archive/news/2007/20070407ddm035070105000c.html

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