2007年12月13日木曜日

統合失調症に関与の遺伝子特定

(毎日 2007.11.13)

幻覚や妄想などの統合失調症に関与するとみられる遺伝子を、
理化学研究所の吉川武男チームリーダー(精神医学)を中心とする
グループがマウスの実験で突き止め、発表。

この遺伝子は、脳でドコサヘキサエン酸(DHA)などの不飽和脂肪酸と
結び付くタンパク質をつくる「Fabp7」。
脳が発達する胎児期に、これらの脂肪酸が不足したことが
発症に影響している可能性を示す。
確認されれば、妊婦への栄養指導による発症予防にも道を開く。

大きな音を聞く直前に小さな音を聞くと、
通常は大きな音だけのときより驚き方が小さくなるのに、
統合失調症患者では驚きが変化しにくいことに着目。

マウスの中にも、患者のように驚きが変化しにくいタイプを見つけ、
正常に反応するマウスと比較し、
この反応をつかさどる遺伝子がFabp7であることをまず突き止めた。

この遺伝子は通常、脳の発達期に働きが高まり、成長後は低下するが、
驚き方が変化しないマウスでは逆に、脳発達期に働きが低下し、
成長後増加していた。
Fabp7を持たないマウスをつくって調べると、
脳の発達期に神経細胞の増殖が低下。

死亡した大人の統合失調症患者の脳でも、
この遺伝子の働きが高まっていたことなどから、
グループは原因遺伝子の1つと判断。

http://sankei.jp.msn.com/life/trend/071113/trd0711131012001-n1.htm

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