2007年12月13日木曜日

消石灰で視力障害98件 学校でライン引き使用 文科省、初の注意通知

(共同通信社 2007年12月3日)

運動場のライン引きなどに使っている消石灰(水酸化カルシウム)が、
児童生徒の目に入り視力が低下するなどの障害が残ったケースが、
これまでに98件あったことが、日本眼科医会の調査で分かった。
文部科学省は、より安全性の高い炭酸カルシウムに変えるよう
求める初の通知を出した。

消石灰は、強アルカリ性で、目に入ると角膜や結膜が損傷。
日本眼科医会は、「実際、もっと多くの事故が起こっているとみられる」。
消石灰の使用を禁止するよう呼び掛けている。

調査は今年9月、学校医や教委への聞き取りなどで実施。
小中高校での消石灰の使用や事故の有無などを聞いた。
管内の学校で、消石灰を使っているとしたのは29支部。
「ほとんどで使用」10支部、「半分ぐらい」4支部、「一部」15支部。

「視力障害が残った症例を経験したことがあるか」との問いに、
18支部から計98件の報告。
症状の内容は問わず、過去2年間に限れば、
消石灰が目に入って医師の診察を受けるなどした事故は、
18支部で計51件。
原因は、「風による飛入」が最も多く、「器具の横転」、「ふざけて遊んでいて」順。

日本眼科医会は、弱アルカリ性でより安全な炭酸カルシウム
使うよう文科省に要請。
文科省は、これまで学校安全に関する参考資料で、
石灰の取り扱いの注意を促すにとどまっていたが、今回の通知に。
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▽消石灰

生石灰(酸化カルシウム)に水を反応させてつくる
水酸化カルシウムを主成分とし、運動場などのライン引きのほか、
酸性化した土を中和させる改良剤などに使用。
強アルカリ性のため、目に入ると角膜などを傷つけ、失明するケースも。
消毒作用もあり、鳥インフルエンザが発生した場に散布。
2004年度の国内消費量は、約60万トン。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=63290

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