2008年4月12日土曜日

穴通磯が親子洞門として、昭和12年の出版物に記載大船渡市立博物館で公開

(東海新報 4月6日)

大船渡市末崎町の碁石海岸を代表する「穴通磯」が、
今から71年前に発刊された出版物に、「親子洞門」の名称で掲載。
同市立博物館の特別展で紹介。

穴通磯を、親子洞門として紹介しているのは、
昭和12年(1937)4月発行の「史蹟名勝天然紀念物(第12集、第4号)」。
発行所は、文部省宗教局保存課内の史蹟名勝天然記念物保存協会。
穴通磯の白黒写真の下には、「碁石海岸の親子洞門」という説明文。

波の浸食による大きな三つの洞門は、
両親と子どもの親子三人を連想させるものだが、
親子洞門として掲載された経緯や当時の一般名称かは不明。

この写真と一緒に、「碁石海岸の三角洞穴」という説明文付きの写真も。
出版物には、地質学者の脇水鐵五郎理学博士が論文を寄せ、
昭和12年に碁石海岸が国の名勝・天然記念物指定に、
陸前高田市小友町の博物学者の鳥羽源藏氏とともに尽力した人物。
鳥羽氏の指定決定を、地元に知らせるはがきも展示。

穴通磯は、この指定範囲外にあるが、国立公園内に位置。
穴通磯が陸から観光できるようになったのは昭和40年代、
湾口防波堤へ続く道路ができてからのこと。

市商工観光物産課によると、昭和27~45年の市勢要覧に、
「穴通り」、「穴通し」、「穴岩」、「穴通し岩」の表記があり、
同46年の市勢要覧では、現在の名称の「穴通磯」。

博物館の特別展は、「碁石海岸ものがたり~春の章」と題し、
この穴通磯に関する資料のほか、クロコシジロウミツバメなど動物のはく製、
ヒサカキなど植物の写真や地下約300メートル付近で行われた
ボーリング標本など、約170点を展示、来月25日(日)まで。

http://www.tohkaishimpo.com/

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