2008年4月12日土曜日

インスリン分泌、たんぱく質が制御 糖尿病治療に貢献

(毎日新聞社 2008年4月6日)

血糖値を下げる「インスリン」を分泌する細胞は、
特殊なたんぱく質によって働き過ぎないよう調節されていることが、
岡芳知・東北大教授(分子代謝病態学)らの研究で分かった。
細胞の「過労死」を防ぎ、インスリン分泌能力を長持ちさせる
糖尿病治療法につながるとして注目。

インスリンは、膵臓にあるβ細胞から分泌。
「2型糖尿病」は、インスリンの分泌能力に対し、
ブドウ糖の過剰状態が続くことなどで発症。
過食などで血糖値が上がり、インスリンを大量に出し続けると、
β細胞が疲弊し、2型糖尿病を発症しやすい。

研究チームは、糖尿病マウスではβ細胞の活動を制御する
特殊なたんぱく質「4E-BP1」が増えることに着目。

マウスのβ細胞に、薬剤で糖尿病のときと同じような負荷を与えたところ、
4E-BP1が約10倍に増加、β細胞の活動を抑えた。
糖尿病で、4E-BP1を持たないマウスはβ細胞が減り、
一般的な糖尿病マウスと比べインスリン量は半分以下になり、
血糖値も急激に悪化。

石原寿光講師は、「4E-BP1と同じ働きをする薬剤ができれば、
インスリン分泌を極端に減らさない程度に投与し、
β細胞を保護する治療ができるようになる」。
米科学誌「セル・メタボリズム」に掲載。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=70489

0 件のコメント: