2008年4月18日金曜日

針葉・広葉混交林化が重点課題に

(サイエンスポータル 2008年4月11日)

破綻しつつある日本の林業立て直しの期待がかけられている
針葉樹・広葉樹の混合林育成と、木材としての価値が高い
針葉樹の長期伐採化を目指す技術開発を今年度の重点課題。

重点課題に選ばれたのは、人工の針葉樹林に侵入した
広葉樹の生育状況を調べ、針葉・広葉樹の混交林化を
むしろ積極的に進めるための技術開発を目指す取り組みで、
近畿中国森林管理局森林技術センターが中心機関。

低コストで木材を安定的に供給できる持続可能で多様な
森林造成技術の開発という重点課題については、
九州森林管理局森林技術センターが中心機関。

日本では、太平洋戦争後の増大する木材需要に対応するため、
1955年ごろから広葉樹林をスギやヒノキといった針葉樹の
人工林に転換することが推進。

ところが、輸入材の増加により、1998年を境に
国産スギ材が米国からのツガ材より価格が下回る。
1955年~1960年代に、一斉に植林された木が伐採期にかかり、
国産材の価格はさらに低下傾向。
林業経営の難しさから、植林をあきらめ伐採した後、
放棄林になったところも増えている。

林業を再生するため、水源かん養機能あるいは生物多様性の保全、
地球温暖化対策といった地球規模の課題に貢献する
新たな森林の価値に重きを置き、
針葉樹と広葉樹が混在する複層林の育成を進める動き。

スギやヒノキといった価値の高い針葉樹は、より長く育成した後、
伐採した方が、コストと森林保全の両面から有利だとする考え方に基づく
長伐期化」が、これからの林業にとって重要な課題。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/0804/0804111.html

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