2008年4月17日木曜日

国立天文台と友好協定 奥州市

(岩手日報 4月16日)

奥州市は、国立天文台(観山正見台長)と
「相互友好協力協定」を締結。
奥州市の国立天文台水沢VERA観測所を中心に、
研究者の定期的な講演会などを通じて、
市民が「地域財産」に対する意識を共有する。

国立天文台が、地方自治体と協定を結ぶのは初めて。
同観測所は、月探査プロジェクトの中心的役割を担う。
市は、宇宙教育に親しむ拠点づくりを目指すことで、
将来の人材育成にもつなげたい考え。
調印式は20日、奥州市の国立天文台水沢VERA観測所に
開館する奥州宇宙遊学館の式典で行われる。

協定は、宇宙や自然、科学、文化面などで相互に協力することを主眼。
遊学館で天文台関係者と市民が交流する「サイエンスカフェ」や、
研究者による講演会開催などが見込まれる。

国立天文台は、三鷹市の特定非営利活動法人(NPO法人)が
運営する三鷹ネットワーク大学に参加。
天文学に親しむ講座を開くなど、市民らと交流。

地方自治体と協定を結び、講座などを開催したケースはなく、
国立天文台水沢VERA観測所の及川信一総括補佐は、
「遊学館を窓口にして、どんどん地域貢献していきたい」。

相原市長は、「遊学館の開館を契機に、国立天文台と連携を深めたい」、
市総合政策企画課の佐々木禅課長は、
「将来の人材育成にもつなげたい」と期待。

同市では、文部科学省の理数教育強化校
スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受けている水沢高で、
授業のカリキュラムに同観測所を利用した内容が組み込まれるなど、
既に一部で連携は進んでいる。

小中学生らで構成する「日本宇宙少年団水沢Z分団」(約50人)もあり、
同観測所でロケットの仕組みや科学実験を学んでいる。

水沢南小の羽田野光夫校長は、
「子どもたちを受け入れてくれる態勢が整うことはありがたい。
教授らの出前授業などにも期待したい」。

国立天文台 国内の天文学の最高研究機関。
観測局は奥州市のほか、鹿児島県薩摩川内市、東京都小笠原村、
沖縄県石垣市にあり、銀河系の精密な立体地図をつくる
プロジェクトなどを進めている。

奥州市の水沢VERA観測所には、月周回衛星「かぐや」に携わる
RISE月探査プロジェクトの拠点がある。研究員は計約150人。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20080416_3

0 件のコメント: