2008年5月4日日曜日

水稲直播、農家に広がる 作業省力化時期を分散

(岩手日報 4月29日)

県内で、水田に直接種をまく水稲の直播が広がっている。
2007年度は153ヘクタールで作付けされ、今年は200ヘクタール超。
課題だった収量も、技術の確立により徐々に増加。

担い手不足が深刻な中、省力化とともに作業時期を分散でき、
耕作規模の拡大に適応した農法として注目。

直播は、苗を育て田に移植する栽培法と異なり、
田に発芽直前の種もみを直接まく。
水を入れた田にまく湛水直播と、乾いた田にまく乾田直播がある。
育苗や苗運びの手間が省け、1人で作業可能。
田植えの適期より10日ほど早く種をまき、収穫も1週間ほど遅いため
作業時期を分散でき、規模拡大に適応できる。

春先の低温による発芽不良などで、収量は平均で移植栽培の90%ほど。
しかし、技術の向上で同量の収穫の水田もある。

一関市中里では、乾田での直播が行われた。
5人で水田15ヘクタールを耕作する一関市山目の菅原敏明さんは、
今年は湛水5ヘクタール、乾田5ヘクタールで直播。
「労働力を考えると、春の短時間にすべての水田で育苗、移植は難しい。
米価が下がりコスト減が求められる中、県内でも広がっていくのでは」。

直播は、東北南部で作付けが伸びており、
07年度は福島で1123ヘクタール、山形は799ヘクタール。
県は、10年度には500ヘクタールの作付けを目指す。
県農産園芸課の工藤昌男水田農業担当課長は、
「集落営農が進み、高齢化で担い手が減っている中、有効な技術」。

「いわて直播栽培米研究会」は5月1日、
北上市成田の県農業研究センターで技術講習会を開催。
県も、5月上旬から10カ所で直播実演会を行う。
問い合わせは、県農産園芸課(019・629・5715)。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20080429_14

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