2011年5月26日木曜日

津波防災に3基本型 県、復興モデル示す

(岩手日報 5月24日)

県は、東日本大震災の復興のまちづくりモデルとして、
被災集落を高台に移転する「回避型」、
津波をV字防潮堤などで逃がす「分散型」、
防潮堤などと道路のかさ上げなどで津波を減衰させる「抑制型」の
三つの基本型を示した。

津波対策の基本方針として、防潮堤などのハード整備は
百数十年に1度起こり得る規模の津波を対象とすることも提示。
今後、市町村ごとに復興パターンを具体的に示し、
復興計画の参考として提供。

第3回県津波防災技術専門委員会
(委員長・堺茂樹岩手大工学部長、委員8人)で県が示した。

回避型は、小規模集落を想定し、大津波でも浸水しない高台に移転。
分散型は、市街地を守るため、防潮堤などをV字型に設置し、
津波のエネルギーを左右に逃がす。
抑制型は、最前線の防潮堤に加え、かさ上げした道路や鉄道で
津波の勢いを減衰、避難ビルの建設なども行い多重防災の手法で被害を防ぐ。

県は、三つの基本型を組み合わせ、
①都市機能が甚大な被害を受けた地域、
②都市機能の一部は失ったが、官公庁や工業地などが
致命的な被害を逃れた地域、
③海辺の集落-
ごとの復興パターンも提示。

①は、陸前高田市、大槌町などを想定。
抑制型を基本に分散型、回避型を組み合わせて、
根本からの都市づくりを目指す。

②は、大船渡市、釜石市などを想定、分散型で市街地を生かしながら
住居を高台に移す回避型の手法も併用。

③は、小規模集落が想定され、コミュニティーを崩さず、
高台移転する回避型で対応。

復興ビジョン案に盛り込む津波対策の基本方針についても議論。
基本方針を、「再び人命が損なわれることがない多重防災型まちづくりと、
防災文化を醸成し継承することを目指す」と設定、
海岸保全施設、まちづくり、ソフト対策の三つを組み合わせて、
対策を講じることを決めた。

防潮堤などの整備目標は、過去に発生した津波を地域ごとに検証し、
おおむね百数十年程度で起こり得る規模の津波を対象とする。

堺委員長は、「地域ごとの被災状況や対策を精査し、
たたき台になるものを市町村に提案したい」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110524_3

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