2011年5月27日金曜日

「三陸復興国立公園」を構想 沿岸6自然公園再編へ

(岩手日報 5月19日)

環境省は、青森県の種差海岸から宮城県の松島までの沿岸部の
六つの自然公園を、「三陸復興国立公園」(仮称)として再編する構想。

同地域には、陸中海岸国立公園(久慈市―気仙沼市)などがあるが、
東日本大震災で甚大な被害を受けたため、震災時の避難路や
震災の様子を伝える施設などを整備。

再編で、水産業振興や観光地としてのブランド化を目指すほか、
雇用の創出を図り、復興の起爆剤にする考え。
復興公園の範囲は、南北約350km。

北から、▽種差海岸階上岳(はしかみだけ)(青森県立)、
▽陸中海岸(国立)、▽気仙沼(宮城県立)、▽南三陸金華山(国定)、
▽硯上山(けんじょうさん)万石浦(まんごくうら)(宮城県立)、
▽松島(同)―の6自然公園が含まれる。

構想によると、災害時の緊急避難場所や避難路となる
「鎮魂の森」や「三陸海岸トレイル(長距離歩道)」を整備。
被災を記録、継承するための学習施設を設ける。

被災した農漁業者らに協力してもらい、エコツーリズムを推進することで、
地元の雇用確保も図る。

同地域では、陸中海岸国立公園の拡張と「三陸海岸国立公園」への
名称変更の動きなどがあったことが構想の一つの要因。

環境省は今後、政府の復興構想会議に提案するとともに、
公園化の同意を得るため、県や関係市町村などと協議を始める方針。

同省の中山隆治国立公園課長補佐は、
「被災地の復興状況を見ながら協議を進めていきたい」とし、
再編のめどについては、「陸中海岸国立公園の拡張と名称変更は、
2012年度を目指していたが、震災があったので、
それより後になるだろう」との見通し。

県自然保護課の八重樫典彦総括課長は、
「国の責任で、一体的に整備するのは歓迎。
構想は、雇用への波及など裾野が広い。
国と連動し、復興を促す動きになるよう努めたい」と期待。

種差海岸の陸中海岸国立公園への編入を求めてきた
小林真八戸市長は、「実現へ三陸沿岸自治体との連携をさらに深め、
復興に向けバックアップしたい」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110519_3

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