2011年5月31日火曜日

特集 おかやまメディカルイノベーションセンター 医療産業創成の拠点

(2011年5月20日 毎日新聞社)

産学官が連携し、がんの治療薬などを開発する研究拠点
「おかやまメディカルイノベーションセンター(OMIC)」が、
岡山大鹿田キャンパス(北区)に整備。

最先端の医療研究機器が完備され、研究開発で民間企業との
連携協力も促進。
開所式で、岡山大大学院医歯薬学総合研究科産学官連携センターの
公文裕巳センター長は、「これだけの設備は、国内でもトップクラス。
新薬の開発がしやすくなった」と期待。

OMICでは、分子イメージングを使った研究が中心。
分子イメージングとは、生き物が生きた状態のまま、傷つけることなく、
がん細胞や薬剤などさまざまな分子の動きを可視化し、観察できる技術。

公文センター長は、「分子イメージングは、これからの生命科学を
切り開く技術」と、その重要性を説いた。

岡山大と県などは、国の科学技術振興機構から
11億8000万円の補助を受け、OMICに最新の設備を整備。
陽電子を放出する特殊な薬剤を体内に投与し、
その分布を断層画像でとらえる陽電子放射断層撮影(PET)装置などが導入。
動物を用いた実験に使われる小・中動物用のPET装置も備えられ、
動物実験の成果を人と比較し、応用できる双方向性をもった
新薬開発の研究が可能に。

医薬品や医療機器の開発を目指す企業などに、
これらの機器を使える環境を提供するため、
OMIC内にインキュベーション施設が置かれた。
各企業用の8実験室、共有スペースとして培養室、滅菌室、暗室などの
施設が設置。
入居条件は、OMICを拠点として分子イメージング研究を実施する企業で、
岡山大が入居企業を審査して受け入れる。

公文センター長は、産学官の連携について、
「私たちの研究は基礎研究。
薬を作らない限り、患者さんは良くならない。
ものを作る企業と連携することで、出口の見えた研究ができ、
先端医療を提供していけるようになる

県は08年、医療系ベンチャー企業の創出や医療関連企業の
集積を目指し、「メディカルテクノバレー構想」を掲げてきた。
OMICは、その医療産業創成の拠点となる。

OMICは今後、創薬・イメージング関連機器開発の研究だけではなく、
新医療産業創出を目指す施設として、理化学研究所神戸研究所と
連携して、高度人材育成事業支援などの支援事業も予定。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/5/20/136818/

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