2011年6月4日土曜日

「大船渡丸」再び海上に 今月中の移動目指す 『飛鳥Ⅱ』来港合わせ電飾も

(東海新報 6月1日)

大津波で大船渡市赤崎町の市道沿いに打ち上げられた
海上七夕船『大船渡丸』への対応に、関心が高まっている。

光の演出で、毎年魅了する三陸・大船渡夏まつり実行委員会では、
今年は中止の方向。
海上七夕船は、陸上からそのまま海に戻し、
7月下旬の大型客船『飛鳥Ⅱ』寄港に合わせたイルミネーションなどを計画。

『大船渡丸』は、平成19年の三陸・大船渡夏まつりで、
イルミネーションによる装飾が初披露。
まつり実行委は、大船渡市からの補助2000万円を生かし、
青森県内にあった砂利運搬船を購入し、七夕船として改造。

3月11日大震災発生時、『大船渡丸』は、同じく海上七夕船として
毎年活躍する『明和丸』とともに、赤崎町の永浜貯木場に係留。

大津波の引き波によって、地震発生から2時間30分余りが経過した
午後5時30分ごろ、大船渡湾外に流された。
長崎漁港方面に漂流し、その光景を目にした関係者は“流失”を覚悟。

一夜開けた12日、2隻は揃って市道蛸ノ浦合足線沿いに続く
防潮堤に乗っていた。
11日夜にも押し寄せた津波によって、再び湾内に戻ってきたと。

無事だった一方、縦38m、幅10・5mの大型船が市道の半分を覆い、
片側交互通行措置が続く。
船舶移動は、基本的に所有者自身の負担で行わなければならず、
同実行委では検討を続けていた。

同実行委の齊藤俊明委員長(大船渡商工会議所会頭)は、
「1日も早く海に帰したいと思っている」
解体も選択肢にあったが、作業に危険が伴い、
数千万円規模の経費が見込まれる。

そのまま海に戻す際も、多額の費用が予想、
実行委ではなるべく経費をかけない方法を模索。
現在も協議を進め、今月中には着手したい。
市に対し、金銭的な支援も要望。

7月27(水)、28(木)の両日予定している大型客船『飛鳥Ⅱ』寄港に合わせ、
イルミネーションを施したい。
船内に保管していた電飾資材は無事。

8月5(金)、6(土)の両日に予定していた三陸・大船渡夏まつりは、
協賛支援を得ることが難しく、会場となる港湾機能が被害を受け、
今年は中止の方向。
6日は、『大船渡丸』のイルミネーション電飾だけは行う方針。

齊藤委員長は、「勇気と元気を鼓舞する意味でも、
イルミネーションはやりたい。
太平洋セメントに通電して煙突に光が付いただけでも、
地域に明るさが生まれた。
心理的な明るさをもたらす役割を、『大船渡丸』に期待したい」

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