2011年6月4日土曜日

イスラエル…軍が若者の更生を支援

(読売 1月27日)

「罰として、腕立て伏せをしなさい」と教官。
「ちゃんと命令に従ったじゃないか」と新兵。
イスラエル北部アフラ郊外のハバット・ハショメル軍基地で、
元不良少年の新兵に、軍の規律をたたき込む特別訓練が。

時間厳守や共同作業の大切さを学ぶ10週間の更生プログラムで、

1981年に始まった。
毎年約1400人が参加、平均年齢は19歳。
大半が高校中退で、犯罪歴がある者も多い。
約85%が訓練に合格、軍隊に残る。
高校卒業資格を取得させる制度もあり、
日本の「再チャレンジ支援」に似た取り組み。

軍のカウンセラーによると、紛争やテロに向き合う緊張感から、
イスラエルの若者はストレスにさらされている。
取材中も、新兵が指導官に反抗、大声を出すなど、不穏な空気が漂った。
小競り合いや脱走も絶えない。

なぜ、軍なのか?
国民皆兵制の同国では、軍への信頼度が高く、
世論調査で最高裁や大統領を上回り、常にトップ。
学歴と同様に、兵役(男性3年、女性2年)が重視されるのが
イスラエル社会だ。
兵役を果たさなければ、就職も不利に。
軍は、「我々は国民の軍隊。
教育や非行などの社会問題にも取り組む必要がある」と説明。

麻薬売買の罪で、少年院に入ったアンドレイ・イェルジェンスキさん(20)は、
「軍で高校卒業の資格を取り、人生をやり直したい」、
3週間前に訓練に参加。

「彼らが社会に受け入れられるには、この訓練が最後のチャンス」と、
同基地のアサフ・クナアン副隊長。
18歳以上の非行少年を更生させる公的機関は軍しかなく、
「我々にとっても、負けられない戦いだ」と力を込めた。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/jijou/sekai/20110127-OYT8T00205.htm

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