2011年6月3日金曜日

トピックスfromUSA:盛んな社会貢献活動 命名権を寄付に活用

(毎日 5月28日)

米国のスポーツ界は、社会貢献活動が盛ん。
東日本大震災でも、多くの義援金が寄せられ、
米中部を襲った竜巻による被害でも、大リーグ機構などが支援に動いた。

男子ゴルフのタイガー・ウッズなど、
選手個人が慈善団体を持つことも珍しくない。

サッカーの米プロリーグMLSに所属し、米中西部カンザス州の
都市カンザスシティーに本拠を置くクラブ、
「スポルティング・カンザスシティー」(SKC、旧ウィザーズ)は、
来月にオープン予定の専用スタジアムの命名権(ネーミングライツ)を
活用し、収益を社会貢献に結びつける試みを始める。

自転車ロードレースのツール・ド・フランスで7回優勝し、
自らもがんを克服したことで知られるランス・アームストロング(米国)が
設立した、がん撲滅団体「ライブストロング(LS)」との提携。

通常は、スタジアム側が命名権を売却して資金を得るが、
今回の提携は異なる。
SKCが、スタジアムを「ライブストロング・スポルティングパーク」と名付け、
ロゴを使用する代わりに、LS側に6年間で最低750万ドル
(約6億1500万円)を寄付。

サッカー界では、名門バルセロナ(スペイン)がユニホームの胸に、
ユニセフ(国連児童基金)のロゴを入れるとともに支援金を送った。
それと似た内容といえる。

観客動員は増えているものの、米国ではまだマイナーなMLSで、
しかもカンザスシティーは商業圏も小さい。

命名権を買い取る有力企業が現れなかったことから、発想を転換。
観客からすれば、試合やイベントで興奮を味わい、
さらに入場料やグッズ購入することで、社会貢献したと実感できる。

SKCは、こうした体験を共有することで、地域社会の一体感が
高まることにも期待。
年間席の売り上げは好調といい、収益が上がれば寄付額も増やしていく。
スタジアム建設費の負担もあり、新たな試みが採算が取れるか
危ぶむ声もある。

SKCのロブ・ハイネマンCEO(最高経営責任者)は、
「社会貢献に取り組めることを誇りに思う。
この創造的な提携が、遺産として残ると信じている」と期待。
現場は意欲満々だ。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2011/05/28/20110528dde007050070000c.html

0 件のコメント: