2011年7月30日土曜日

やる気の秘密(13)勉強の意味 心に刻む

(読売 6月1日)

「好きな子が落とし穴の近くを歩いているのが見えたら、
『危ないよ!』って叫ぶよね。
お父さんやお母さんが、みんなに勉強しいよ!って言うのも同じ。
言われたら、『ありがとう』って言おう」

塾長の本田篤嗣さん(36)が話すと、中学生たちに笑顔が広がった。
山口県内に5教室を展開する「みかみ塾本田屋」の
名物「ココロ・トーク」。
小1から高3まで約300人の教え子に、勉強に向かう心構えを、
授業の合間に照れることなく、繰り返し説く。

「勉強の成績は、才能みたいなもので決まっちょると思ったら大間違い。
やるから上手になる。上手になると思ってやろうや!」

大学卒業後、音楽活動のかたわらテレビ局勤務なども経験し、
CDデビューも果たしたが、事務所が倒産。
高校時代から家庭教師をした経験を生かして塾講師になり、
その後、独立して6年。

同じ勉強をしていても、成果が出る子と出ない子がいる。なぜか?
心理学や思考法など本を乱読し、「勉強に向かう心の問題ではないか?
との思いに至り、生徒に語りかけるようにブログに書いた。

「勉強にやる気はいらない。言い訳になるくらいなら行動しよう」、
「君の歩く道を決めるのは君の心」

2007年から、ブログをもとに書いた中・高校生向けの小冊子を次々に刊行。
自ら作詞作曲、演奏した「受験生応援ソング」も録音。
全国の希望者に、自費で配布した小冊子やCDは計3000冊、7000枚に。
09年、初めての著書『君の成績をぐんぐん伸ばす7つの心のつくり方』は、
静かなベストセラーに。

ここ数年、社会の変化を痛感。
学校の授業を、全然聞かない子は珍しくない。
受験も「入れるところでいい」。
「生涯学び続けることができる人を育てることが、
地域や日本の未来を作る」が持論だが、なぜ勉強が大切なのか、
正面から子どもに語る大人が少なくなったことに、強い危機感を覚える。

競争であおったり強制したりする指導では、今の子どもたちに伝わらない。
「コミュニケーション授業」と称した少人数のクラスで、
一対一の対話を大事にする。

夜10時半。
授業が終わっても、生徒たちは、「少し勉強していこうかな」となかなか帰らない。
心に届く言葉が、小さな意欲の火を燃え上がらせる。

◇成績を上げる「7つの心」(本田さんの著書を参考に作成)

〈1〉目標(目的地をイメージする)
〈2〉できる!(自分自身を信じる)
〈3〉忍耐(目の前の苦痛は未来の喜び)
〈4〉継続(小さなことを積み重ねる)
〈5〉言葉(使う言葉が未来を作る)
〈6〉感謝(勉強できる環境のありがたさ)
〈7〉信念(強い思いは才能を超える)

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110601-OYT8T00226.htm

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