2008年4月28日月曜日

日本のトップ研究機関の学術発信力

(サイエンスポータル 2008年4月15日)

トムソンサイエンティフィックが、重要な論文がどれだけ引用されているか
から算出した日本の研究機関のランキングを公表。

「ここ数年の傾向として、論文数、被引用数ともに漸増傾向で、
日本のトップ研究機関の学術発信はより活発化」と評価。
トップ20に入った研究機関は、昨年と全く同じ顔ぶれとなっており、
順位の入れ替わりも科学技術振興機構(6位から5位)、
理化学研究所(9位から8位)、東京医科歯科大学(20位から19位)が
それぞれすぐ上だった大学を追い越しただけ。

世界でのランクは、「日本順位で上位を占める研究機関の多くは、
昨年の国内順位を守りつつ、世界順位でも上昇の傾向がみられる一方、
国内順位を維持している研究機関であっても、
世界順位が下降している機関も見られる」という結果。

このランキングの特徴は、被引用数が多い順になっており、
研究者を多く抱える大きな大学、研究機関が最初から有利。
トムソンサイエンティフィックも承知の上で、
「下部組織名称や旧組織名により表れたデータをとりまとめて
ランキングに反映することによって、研究機関はその研究成果を
より高くアピールすることができる」。

こうした典型例として挙げられているのが、傘下の研究機関を
「Max Planck Society」、「Chinese Academy ob Science」という名称で
一まとめにしているドイツのマックス・プランク研究所と中国科学院。
マックス・プランク研究所は、今回併せて公表された「化学」「物理学」の
分野ごとランキングで昨年に続き世界1位、
中国科学院も「材料科学」分野で昨年に続き世界1位。

しかし、これらはこうした理由によるもので、
2004年まで「材料科学」、「物理学」分野で世界1位にランクされていた
東北大学(「材料科学」で世界3位)や東京大学(同「物理学」で2位)の
研究活動が低下したと見る必要はない。

被引用数の総数で国内上位20位にランクされた各研究機関について、
平均被引用数の数値も併記されている。
仮にこれで上位20位をランク付けし直したとすると、
1位、科学技術振興機構(平均被引用数16.55)、
2位、理化学研究所(14.42)、
3位、自然科学研究機構(13.30)、
4位、東京医科歯科大学(12.94)、
5位、東京大学(12.81)、
と順位はだいぶ入れ替わる。

http://www.scienceportal.jp/news/review/0804/0804151.html

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