2008年5月2日金曜日

がん細胞:増殖加速遺伝子を解明 日医大チーム

(毎日新聞 2008年4月20日)

がん細胞が、エネルギー源であるブドウ糖を取り込む一連の仕組みを、
日本医科大の川内敬子助教と田中信之教授(分子生物学)らが発見。
この仕組みを遮断する薬剤を開発すれば、
「兵糧攻め」でがん細胞の増殖を抑えられる。

細胞が、がん化するのを抑制する遺伝子「p53」に注目。
マウスの細胞でp53を除去すると、がん化するだけでなく、
別の遺伝子「NFκB」の働きが活発になっていることに気付いた。

詳細に調べると、NFκBが、がん細胞のエネルギー源である
ブドウ糖を取り込む別のたんぱく質を増やし、
がん細胞の増殖を加速させることを突き止めた。

p53が働かなくなると、NFκBが活性化し、
がん細胞へのエネルギー供給が進み、増殖するという流れを解明。
正常な細胞では、がん細胞の増殖に不可欠なブドウ糖分解を起こす
NFκBの働きを、p53が「ブレーキ役」となって抑制している仕組み。

田中教授は、「p53の機能を回復したり、NFκBの機能を抑えれば、
新しいがん治療薬の開発につながるだろう」。
英科学誌ネイチャー・セル・バイオロジー(電子版)で発表。

http://mainichi.jp/select/science/news/20080421k0000m040077000c.html

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