2008年4月28日月曜日

気仙スギの家を中国へ 材料加工は住田木工団地で仙台の住宅建設会社

(東海新報 4月24日)

仙台市の住宅建設会社・スモリ工業(株)(須森明社長)は、
経済発展著しい中国市場進出の計画を進めている。
気仙スギを中心に、県産材を用いた住宅建設を東北、関東一円で手掛け、
材料加工の多くを住田町の木工団地三事業体が担っている。

中国市場参入の足がかりとして、22年に中国で開催される
上海国際博覧会(万博)へのモデル住宅出展も視野に入れ、
実現すれば将来的な気仙スギの需要拡大に弾みがつきそう。

スモリ工業の木造住宅にあたっては、気仙スギをはじめ
県産カラマツの集成材を組み合わせたパネルを主に使用。
集成材を生産できる工場が宮城県内にはないといい、
かねて住田町の木工団地に発注。

同団地は、三陸木材高次加工協同組合、協同組合さんりくランバー、
けせんプレカット事業協同組合の三事業体からなる。
三木が集成材、ランバーがこの集成材用のラミナ(薄板)、プレカットが
これらを組み合わせた建築材を主に手掛けるというシステムを構成。

交渉段階にあるという万博出展が実現した場合、
同団地で作られたパネルを船で現地に運び用いる予定。
パネルには、柱や窓枠が付いているため、
組み立て作業を一日程度で終えることができる。

中国では、年500戸ほどを日本のハウスメーカーが手掛けている。
須森社長は、「建築材は地元で消費されるのが大前提だが、
業界はそうも言っていられない状況。
植栽から伐採、パネル化までを一つの町の中で完結させる仕組みと、
各工程での職人たちの姿勢に感銘を受け、取り引きさせてもらっており、
中国市場の開拓によって、東北の山を元気づけられればうれしい」。

3事業体のうち、三木とランバーは経営危機が表面化し、
町から3年間で約7億9千万円という多額の融資を受けたうえで再建途上。

多田欣一町長は、「国内の住宅着工は年間110万戸ほどで、
中国ではこの20倍ほどあると聞いている。
大いに希望の持てる取り組みであり、木工団地はじめ地域にとって朗報」。

両事業体の副支配人も務める、けせんプレカットの泉田十太郎専務は
「中国の富裕層は、国産材住宅建築のターゲットとなりうる。
今回の挑戦は、気仙スギなど県産材が海外に進出する機会」。

http://www.tohkaishimpo.com/

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