2008年5月16日金曜日

米のバイオ燃料化始動 県が実証試験

(岩手日報 5月13日)

県は2008年度、新エネルギー政策の一環として、
米のバイオエネルギー化に本腰を入れる。
多収米「岩南29号」の田植えを、奥州市胆沢区小山の実証田で行った。

県が多収米を一般圃場で実証試験するのは初めて。
海外からの家畜飼料が高騰する中、飼料米への活用のほか、
休耕田対策としても期待。

岩南29号は、県オリジナルの多収米品種。
今年、品種登録の申請を予定。
収量は、一般の主食用米の約1・5倍の10アール当たり800キロ。
実証試験は10年度まで続け、施肥や耐冷性、じかまきの適性なども調べる。

稲わらからバイオエタノールに転換するための技術開発を、
岩手生物工学研究センター(北上市)などと連携して推進。
実証試験は金ケ崎町でも行う予定。
3カ年計画で、本年度は約1400万円を予算措置。

県は本年度から、「いわてバイオエネルギー利活用構想」を策定。
20年度を目標に、地域循環を基本とする
バイオエネルギーの地産地消を目指す。

多収米の作付けは、豚や鶏用の飼料増産のほか、生産調整などによる
休耕田の活用策としての機能も持つ。
利用されていない県内の水田は、昨年で約1600ヘクタール。

同区の農業佐藤功さん(63)は、「生産者は、やはり米が作りたい。
食べるだけでなく多目的に活用する態勢づくりが必要」。

バイオエタノール生産の実用化には、採算に見合う技術開発などが
必要で時間を要するが、県農業振興課の徳山順一総括課長は
「試験により技術を確立して、低コストでの多収を目指す。
地域の中でエネルギー循環のモデルをつくりたい」。

◆多収米
収量を多くするため、品種改良された米。
ひとめぼれなど一般の主食用米の平均収量は、
10アール当たり540キロ程度、
本県オリジナルの岩南29号は、同800キロ。
稲わらの収量も多い。食味は劣るが、食用米としても可能。
岩南29号は、1994年に交配。
耐冷性があり、いもち病に強いほか倒れにくい。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20080513_2

0 件のコメント: