2008年5月12日月曜日

たんぱく質:鉄分アップでコメ収穫6倍 東大院教授、運搬促進たんぱく質特定

(毎日 5月6日)

植物が成長に必須の鉄分を吸収し、必要な部位に運ぶ際に働くたんぱく質を、
東京大大学院の西澤直子教授(新機能植物開発学)らがイネで特定。
オオムギなど他のイネ科植物にもあり、働きを高めることで収量増が期待。

西澤教授らは、このたんぱく質をIDEF2と名付けた。
植物では、鉄分の取り込みに関する複数の遺伝子が働いている。
IDEF2は、これらの遺伝子と結合し、働き始めるように
スイッチを入れる元締役として機能。

IDEF2の働きを抑えたイネは、鉄分がうまく利用できなくなる一方、
働きを高めると、収量は同じ条件で栽培した普通のイネの4~6倍。

鉄分は、葉緑素を作るのに不可欠で、不足すると光合成が不十分。
アルカリ性土壌では、鉄分はほとんど水に溶けないため、
植物に吸収されにくく、成長が抑制。
こうした土壌は、世界の陸地の約3割を占める。

西澤教授は、「IDEF2の働きを詳しく調べ、植物が鉄分を利用する
仕組みの全容を解明したい。
食糧の増産や鉄分の豊富な栄養価の高い穀物作りにつながる」。

http://mainichi.jp/select/science/news/20080506ddm002040029000c.html

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