2008年5月17日土曜日

南部鉄器ブーム逆輸入 パリのカフェが使用・販売

(岩手日報 5月14日)

欧州で評価された南部鉄器が、文化の「逆輸入」の形で
日本でも再評価され始めている。
東京都内では、フランス・パリに本店があるカフェや紅茶専門店などが、
パリと同じように南部鉄器を使用・販売。来店者にも、
おしゃれさや国産の道具という安心感で人気上昇中。

南部鉄器は、欧州向けを中心に輸出が好調だが、
かつての浮世絵のように、海外人気がきっかけで国内でも再び注目されそう。

2005年に日本に進出し、都内でケーキなどを扱う3店舗を展開する
パティスリー・サダハル・アオキ・パリ」(本店・パリ)。
店内では、紅茶を南部鉄器のティーポットで出している。
同社は、01年にパリで開業時から、日本らしく、しかもおしゃれだとの理由で
南部鉄器を使用。日本の出店時にも、同じスタイルにこだわった。

営業企画ディレクターの前野哲也さんは、
「鉄器で出すと、驚いて問い合わせるお客さんが多い。とても好評」。

日本で13店を展開するフランス流紅茶専門店
マリアージュ フレール」(本店・パリ)は、ティーポットや茶たくなどを置く。
同社本部広報は、「1986年に盛岡の南部鉄器の職人さんに
ティーポット製作をお願いして以来、欧州で広く紹介。
日本でも文化を大切に、気軽にお茶を楽しんでほしい」。

南部鉄器は、欧州を中心に輸出が好調。
日本貿易振興機構(ジェトロ)盛岡貿易センターがまとめた
本県輸出実績によると、05年に3億円台を突破。

近年は、鋳物ブームに触れた欧州の店舗が日本に進出する際、
南部鉄器を使ったり、日本のバイヤーが欧州で注目し、
国内の雑貨店で紹介する例が増えている。

輸出に力を入れる及源鋳造(奥州市)の及川久仁子常務は、
「デザイン開発の努力もあり、欧州での評価が、
日本にフィードバックされ始めた。
おしゃれな点だけでなく、安心の視点でも日本、欧州両地域で
受け入れられ始めている」。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20080514_17

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