2008年10月31日金曜日

増えるバリアフリーツアー 高齢者、障害者も安心 細かな配慮、リピーターも

(共同通信社 2008年10月22日)

高齢者や障害者が安心して楽しめる専用のツアーが増えている。
時間にゆとりを持たせるなどきめ細かい配慮があり、
旅行先も国内外を問わないため、リピーターも多い。

町田市に住む山口松吉さん(66)と佳子さん(62)夫妻が、
知人の紹介で初めてバリアフリーツアーに参加したのは2年前。
「団体旅行には少し抵抗があったけど、試しに参加したんです。
妻が車いすが必要になってから、外出先が限られていたもので」
ほかの参加者と楽しく過ごせるか心配だったが、
実際に参加してみると不安は吹き飛んだ。

少人数で、時間にゆとりがある旅だった。
「行動が遅れて迷惑を掛けるのでは、という心理的な負担がなかったし、
リフト付きバスでの移動やトイレ休憩が頻繁にあり、
配慮が行き届いていて安心できた」

ツアーが気に入った山口さん夫妻は、JTB首都圏バリアフリープラザが
主催する「ソレイユ」で年に数回、国内旅行に出掛けている。
「来月の京都ツアーにも行きます。体調が許す範囲で旅行を楽しみたい」

▽「5」が「3」に

高齢者や障害者を対象にしたバリアフリーツアーは、JTB首都圏のほかに、
クラブツーリズムやエイチ・アイ・エスも主催。
事前に障害の状況や、どのような介助が必要かを個々に確認し、
「出発前の不安を少しでも解消するよう、何度も話をする」と
JTB首都圏の今西正義さん。

どうすれば旅行に行けるかを前提にして、丁寧な手配や対応を心掛けている。
介護の資格や経験のある添乗員のほか、介護ヘルパーの資格を持つ
ボランティアが同行するツアーもあり、快適な旅になるよう手助け。

クラブツーリズムの淵山知弘さんは、「要介護5」の男性が参加する
ドイツ旅行に添乗した経験がある。
「旅行はトラブルもなく、当初無表情だった男性の顔がどんどん明るくなった。
帰国後には、要介護3に改善したんですよ」

▽マンパワー

2006年施行の高齢者障害者移動円滑化促進法によって、
宿泊先や観光地でのバリアフリー対応は徐々に進んではきたが、
車いすが使えなかったり、視覚障害者誘導用ブロックがない場所などは依然多い。

旅行各社は、ハード面で対応できないところは、マンパワーでカバーし、
行きたい場所を訪ねられるようツアーを企画。

だが、バリアフリーツアーの知名度はまだ低い。
「旅行をあきらめている人でも、ちょっとした配慮があれば参加できる人は少なくない。
あきらめる前に、ぜひ相談してほしい」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=81751

0 件のコメント: