(毎日 10月20日)
最近、よく耳にする健康用語に「CR」という言葉。
アンチエイジング(抗加齢)の研究分野で、
「カロリーリストリクション」という考えが注目され、
「CR」とはこの「カロリーリストリクション」のこと。
「ビタミンやミネラル、タンパク質などの栄養分を確保しながら、
総摂取カロリーは通常の7割程度に制限しよう」という考え。
CRの実践者は老化防止につながり、健康で長生きできる体がつくれる--
東大、慶大、順天堂大らの医師らが中心となり、
「CRソサエティ・ジャパン(アンチエイジングを実践する会、通称・カロリスジャパン)」
が発足。世界有数の長寿国である日本から、
さらに寿命を延ばしていく研究を世界に向けて発信していこうと気勢。
同会メディカルアドバイザーの一人で、10年前から寿命の研究を続けている
順天堂大学の白澤卓二教授(加齢制御医学)は、
「100歳を超えても元気な長寿者には、メタボ(内臓脂肪症候群)の人が
ほとんどいない。長寿者は70、80代で急にいきいきと若々しくなるわけではなく、
40、50代からの積み重ねで若々しい健康を保っている。
長寿については、カロリーを制限することで2~3割寿命が延びるだろう」
コーラ、ビール、缶コーヒー、ソーセージにカレールー。
デザートではチョコレートやアイスクリームなど、
様々な食品の分野で「糖質ゼロ」、「カロリーオフ」を歌った食品が販売され、
すべて「CR」の考えの延長上にあるもの。
コンビニエンスストアのサークルKサンクスが、通常よりカロリーを約3割減らした
おにぎり「カロリーコントロールおにぎり」を発売。
乳酸菌飲料のヤクルトでは、通常の「ヤクルト400」に比べ、
甘さを約25%、カロリーも30%カットした「ヤクルト400 LT」を発売。
食品業界でも、「CR」は徐々に浸透しつつある。
日本が世界有数の長寿国になり得たのは、昔から「腹八分」という言葉があり、
食べたい物を食べたいだけ食べることをよしとする欧米人に比べ、
カロリーを抑えた食生活をしてきたが、それはもう過去の話。
欧米型の食生活が定着した現在、中高年男性に
肥満や生活習慣病が急増していることを考えれば、
10年先、20年先の日本人が、現在の高齢者のように元気で若々しく、
長生きできるという保証はない。
大切なのは、現在の食事のあり方。
それが、健康で長生きの秘けつとなる。
http://mainichi.jp/life/health/news/20081020org00m100001000c.html
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