2008年10月30日木曜日

心不全は骨折リスクを高める

(WebMD 10月20日)

心不全患者は、他の心疾患患者よりも大幅に骨折しやすく、
運動不足がその一因であることを示す新規研究結果が報告。
アルバータ大学心機能クリニック(カナダ)所長のJustin Ezekowitzは、
「心不全患者は、心機能のリハビリを行い、運動能力を高めることで、
骨の脆弱化と骨折のリスクを下げることができる」
この研究は、米国心臓協会(AHA)発行『Circulation』に掲載。

心不全患者は、ほぼ同年齢の比較的健康な心疾患患者に比べ、
入院および体を衰弱させる股関節骨折のリスクが高い。
うっ血性心不全とも呼ばれる心不全は、
心臓が他の臓器に十分な血液を送り出せない状態。

骨折(特に股関節骨折)は、重篤な肺感染症と重大な血栓形成のリスクを高め、
患者は死に至ることも。股関節骨折患者の30%は、1年以内に死亡。

1998-2001年、アルバータ州の緊急治療室(ER)を受診した
心疾患患者16,294名を対象。患者の年齢は、68-84歳。
ERを受診した1年後、心不全患者の4.6%が骨折を経験、
同年齢の心疾患患者では1%。
1年間の股関節骨折率は、心不全患者で1.3%、他の心疾患患者では0.1%。
他の健康上の問題などの補正後も、「心不全患者の骨折リスクは4倍」、
股関節骨折のリスクは6倍高かった。

「カルシウムまたはビタミンD摂取が十分でないか、
日光を浴びる時間が足りないのかもしれない」
エモリー大学(アトランタ)心不全・移植プログラムの医学部門責任者
Andrew Smith氏は、心不全と骨折の関連は重要かつ興味深い。
この研究により、「心不全患者は骨折しやすく」、
より多くの心疾患患者が骨密度検査を受けるべきと、「医師の認識を高める」必要。

心不全は、入院および死亡の主要原因であり、
一般集団の2.2%、75歳を超える人の8.4%に発生。
骨粗鬆症は、米国人1000万人が罹患。
50歳超における骨粗鬆症の有病率は、女性で約25%、男性で約12%。

Ezekowitz博士による骨粗鬆症の発症リスク低減策は次の通り:
1)どんな人も、生涯を通じて運動すること
2)小児期からすべての食事でビタミンDを十分にとること
3)どんな人もビタミンDの主要生成源である日光をたくさん浴びること
4)禁煙


Ezekowitz博士は、「第一に、医師は心不全患者の治療にあたり
骨粗鬆症を検査する必要がある、
第二に、日光を浴びながら屋外で運動するのが最も良いということ。
ナーシングホーム(nursing home)の入居者は、屋外に出る必要がある」

心臓に問題がある人すべてが最終的に心不全になるわけではなく、
「心不全は、将来心臓が突然止まることを意味していない。
心不全であっても、何年も生きることができる」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=82076

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