2009年8月25日火曜日

歯周病はいろいろな生活習慣病に関係している

(2009年8月14日 毎日新聞社)

葛飾区の主婦(60)は、糖尿病が急激に悪化し、
主治医から日本大歯科病院を紹介。
歯ぐきが真っ赤で、歯がぐらぐらし、歯周病との関係を指摘。

歯周病の治療を受けた結果、過去1-2カ月の平均的な血糖の状態を
示す、血液検査値「HbA1c」の値が大幅に改善。
主婦は、「歯周病と糖尿病は、相互に関係していると説明」

歯周病は、虫歯と並ぶ「歯科の二大疾患」、
歯や歯と歯ぐきの間に存在する細菌による感染症。
プラークと呼ばれる細菌の固まりが、歯肉に炎症を起こし、
腫れたり出血したり、重症化すれば最終的に歯が抜け落ちる。

同大歯学部の伊藤公一教授(日本歯周病学会理事長)によると、
歯周病患者は糖尿病になりやすく、
糖尿病患者はそうでない人に比べ、2倍以上の確率で
歯周病にかかりやすい「相互関係」がある。

最近は、「網膜症」、「腎症」、「神経障害」などに続く
糖尿病の6番目の合併症といわれる。
「糖尿病の状態が改善されない人は、ぜひ口腔内をチェックし、
歯周病治療を受けてほしい」

東京医科歯科大の和泉雄一教授(歯周病学)は、
「生活習慣病の黒幕-それは歯周病!」(東京顕微鏡院主催)の講演で、
糖尿病以外にも、感染性心内膜炎、心臓・循環器疾患、
早産・低体重児出産、細菌性肺炎--など、
歯周病が全身の病気に影響している現実を報告。

歯周病の原因細菌やその破片が、歯ぐきの傷口から
血中に入り込むことなどで、血管に血栓がつくられ、
心筋梗塞や狭心症などを引き起こす一因。

伊藤教授は、「中-重度の歯周病患者では、炎症を起こしている
(歯と歯肉の間の溝を指す)歯周ポケットの表面積は、
手のひらの面積に相当する55~72平方センチ。
口の中にそれだけの(細菌や毒素の)入り口がある」

歯周病の予防や治療は、全身の健康や、妊娠・出産を通じて
子孫の健康にも関係していると認識することが大切。
歯周病の予防には、毎日の歯磨きが欠かせない。

東京都歯科衛生士会によると、きちんと手入れするには、
歯ブラシ1本だけではなく、歯間ブラシやデンタルフロス(糸)で
歯と歯の間の汚れを落とし、奥歯を清掃しやすい部分みがき用の
ワンタフトブラシも使い、丁寧にケアをする必要。
歯ブラシは、「毛先が平面で、3列に並んでいるのが使いやすい」

歯磨き粉を用いて磨くと、さわやかな気分になるが、
ブラシをきちんと当てないと汚れは落ちないので注意。
歯ブラシの柄をペンのように持ち、力を入れすぎないように
歯に対して直角に当てる。

力任せに磨くより、細かく振動させる方が汚れは落ちる。
奥歯は磨きにくいが、手鏡を使って歯ブラシが届いているか確認。

1カ所につき、「数字でゆっくり10数えるくらいしっかり磨いてほしい」
定期的に、かかりつけの歯科医で口腔内をチェックし、
歯磨きのアドバイスを受けたり歯石を除去してもらうことも大切。
…………………………………………………………………………
◆歯周病チェック(和泉教授の講演資料から)
□歯ぐきがむずむずしてかゆい
□歯ぐきが浮いた感じがして腫れぼったい
□冷たいものがしみる
□歯を磨くと歯ぐきから出血する
□朝起きたとき口の中がネバネバして不快である
□歯ぐきを押すと血やうみが出る
□口臭を指摘された(自分で口臭があると感じる)
□歯ぐきの色が赤黒い、歯ぐきが腫れている
□歯と歯の間に食べ物がはさまりやすい
□☆歯を押すとぐらぐらする
□☆歯ぐきが下がり、歯が長くなった感じがする
□☆このごろ、歯並びが変わったような気がする

◆判定
0-2個 健康
3-4個 歯周病の可能性あり
5個以上 歯周病
選んだ中に☆の三つが該当 重度の歯周病

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/8/14/105748/

0 件のコメント: