2009年8月27日木曜日

NIE20年(1)情報の見極め 新聞通し学ぶ

(読売 8月18日)

小学校では楽しくおもしろく取り組むのが、NIEのポイント。

浜松市立船越小学校は、社会科で山形県の穀倉地帯、
庄内平野の米作りを学んだ。
同小で新聞を活用した授業を実践する山崎章成教諭(51)が、
新聞作りを指導。

学習を重ね、この日は「記事の見出しをどうするか?」
「昔と今の田起こしの変化」、
「びっくりぎょうてんカントリーエレベーター」、
「種まきじいさんを大発見!」、「『はえぬき』の誕生」……。
子どもたちから色々な案が出てきた。

「見出しは、どういう点に気をつけたらいいでしょうか」と山崎教諭。
子どもたちから、「見つけてもらいやすいよう字を大きくする」、
「忙しい人にも理解しやすいよう、簡単なひと言にする」などと意見。

「では、いい見出しだとどのように感じるか、班ごとに話し合って、
いい見出しを選んでみよう」
「何にびっくりしたのか、中身を読んでみたくなるのがいいよ」、
「機械でお米をどうするのか続きを知りたくなる」など、
気に入った見出しの特徴を思い思いに言いあっていた。

山崎教諭が、読み手を意識し、分かりやすく、読みたくなるような
工夫が、大事なことを作品を比較しながら説明。
「次は本物の新聞を見て、面白そうな見出しを探してみよう」
てきぱきした授業の運びに、新聞学習への習熟ぶりがうかがえた。

NIE歴が長い山崎教諭は、教材化に悩む先生の声を聞き、
ワークシートを独自に作成するようになった。
A4の1枚紙の表に、「外来語を探してみよう」、
「秋を感じる写真を集めよう」など、子どもたちが親しみやすい形で
課題を載せ、裏には、指導にあたる先生や親に向けた注意事項を記載。
「初めの一歩」と題したシートは、この2年ですでに60号を超えた。
求めに応じ、メールでも送っている。
「どんどん使ってもらい実践者を増やしたい。反応も楽しみ」と山崎教諭。

夏休み前の練馬区立旭丘小学校
5年生の教室は、朝の会「ニュースキャスターになろう」が始まる。
当番の子どもが新聞から好きな記事を探し、
それについてみんなの前で3分ぐらいで発表。
要約と感想を書いた用紙は発表後、教室に掲示。

「みんなの発表を聞いたり見たりすることで、自分もタイムリーで
心に残るものを探そうという気持ちになる。
単純ですが、取り組みやすいNIEの入り口ですね」と藤平咲雄校長(59)。

新聞を通した学びで、子どもたちは社会に生きることを実感、
情報を見極め、主体的に判断するようになる。

各地の教員の創意工夫でNIEが今、様々な展開を見せている。

◆NIE(Newspaper in Education)

新聞を生きた教材として活用した学習のこと。
新聞界と教育界が協力し、試験的に学校に新聞を提供し、
NIE運動をスタートしてから、ちょうど20年。
改定された小中学校の新学習指導要領でも、
新聞に関する多くの記述が入り、言語活動の育成に
新聞の活用が求められている。

◇「生きる力」つける中核―文科省主任視学官 田中孝一氏

――教育における新聞はどのような位置づけか?

田中 経済協力開発機構(OECD)が各国で実施している
国際学習到達度調査(PISA)などを受け、子どもたちに
「生きる力」を身につけさせることが課題。
物事をしっかり理解し、考え表現する「言語活動の充実」は、
どの教科にも重要。
その手だてとして、新聞の活用も有効。

――新しい学習指導要領にも反映。

田中 小学5、6年の国語科に、「編集のしかたや記事の書き方に
注意して新聞を読むこと」と明記、中学国語に初めて「新聞」が入った。
社会科でも、「平素から親しみ適切に活用すること」

――NIEは、「総合的な学習の時間」に行われ、
新指導要領ではその時間が減らされる。

田中 週1時間だけ減るが、いっそう重視する立場。
習得、活用、探求という「生きる力」をつけるための中核に。
今後は、探求を中心に据え、習得、活用は各学科で行う。
NIEは、どちらでも行っていい。

――事務的業務が増え、教材研究の時間が限られるとの現場の不満が。

田中 調査、照会類は回数や項目を減らすよう、
昨年省内に呼びかけ、各教育委員会にもお願いした。
先生が、子どもと向き合う時間を確保できるようにするのは重要。

――今後のNIEに期待することは?

田中 物事や情報の判断ができるようになるのに有効な手法、
なお意識の差がある。さらに意義を周知してほしい。
実践校がもっと増えるべきだし、編集面では今後発生しそうな問題を
提示するのも大事。
古い事象を検証し、改めて整理した記事、連載企画などを
後でブックレット風にまとめてくれると学校で役立ちます。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090818-OYT8T00294.htm

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