2010年3月16日火曜日

冷え万病のもと、防ぐ 生活環境、ストレス影響 免疫力低下も

(2010年3月5日 毎日新聞社)

暖かくなったり、寒さが戻ったり--。
季節の変わり目のこの時期、体調を崩していませんか。
とくに厄介なのが、体の「冷え」。
冷暖房で体温調整がうまくとれない上、ストレスも多い。
冷えは免疫力を弱め、万病のもと。
布団に入っても足が冷たくて眠れない。
悩みがつきない冷えを防ぐには、どうしたらいいのか?

50年前の日本人の平均体温は36・9度だったが、
現在は36度前後まで低くなった。
東京女子医大付属青山自然医療研究所クリニック所長の
川嶋朗さんは指摘。

日本人の平熱は、この50年で確実に0・5度以上は低い。
6度以下の低体温の人も少なくない」

背景には、現代文明がある。
エアコンの普及で体温調節機能が衰え、
冷蔵庫で冷やされたものを年中飲む。
体は、いやでも冷える。

ストレス社会の影響も大きい。
ストレスで交感神経が緊張し、心臓の動きが速くなり、
血圧が上がり体温も高くなる。
過度になると、血管が収縮したまま戻りにくくなり、
血の巡りが悪くなり、冷えにつながる。
体全体の3分の1の熱をつかさどる筋肉の量が、
運動不足で減っていることも要因の一つ。

血行改善を図る「血めぐり研究会」(花王などの5社協賛)が、
20-40歳代の男女650人に、「冷え」についてのネット調査、
7割が冷えを自覚。
冷えを感じている人は、「肩こり」、「疲れ・だるさ」、「足のむくみ」、
「風邪のひきやすさ」、「頭痛」、「便秘・下痢」について、
感じていない人よりも15ポイント以上強く症状。

「冷え」は、体全体の働きも鈍くする。
新陳代謝に重要な酵素が活発に動く温度は37-40度、
1度下がるだけで、働きが半減するものも。
免疫力も、1度下がることで3割減少。

肝臓、腎臓のトラブル、糖尿病、高脂血症などにつながり、
脳内の伝達物質もスムーズに運ばれなくなり、
うつ病や自律神経失調症などにも関係。
冷えは、あらゆる病気の入り口。
いかに体を温めるかが、現代人にとって大切」と川嶋さん。

冷えは、朝、起きがけに布団の中で脇の下に手を入れ、
これよりも冷えている個所があるかどうか--で大体分かる。
チェックリストで、一つでもあてはまるものがあるなら注意。
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◇規則正しい生活、対策の基本に

東洋医学では、「命あるものすべて温かい」と言われ、
冷えは体の不調のもと。
「アキュラ鍼灸院」院長の徐大兼さんによると、予防の基本は、
(1)規則正しい生活、
(2)十分な睡眠、
(3)バランスのとれた食事、
(4)適度な運動、
(5)ストレスを緩和する生活

◆お灸・マッサージ

お灸は、患部そのものを温め冷えを取り、痛みもやわらげ、
治りを早くする。
ツボを刺激し、冷え症を改善することができる。

◆入浴

シャワーではなく、湯船につかろう。
半身浴もおすすめ、ぬるめのお湯に20-30分ゆっくりつかる。
上半身が冷えるので、バスタオルをかけたり、
入浴前に浴室全体を暖めておく。
入浴後、手早く身支度を整え、体を冷やさない。

◆ぬか袋

就寝中に体が冷えてしまうという人におすすめ。
ぬか袋は、自分の体の線に沿って形が変わるので、フィット。

【作り方】木綿の布(32cm×20cm)を袋状に縫う。
古米130g、ぬか100g、粗塩35g、ローリエの葉1枚を入れる。
袋の口を縫い合わせ、電子レンジで2、3分温め、
冷えている部分に当てる。
再度温める場合、半日以上たってから。

◆食事

季節感のある和食をベースに、バランスを整えた食事。
1回の食事に、五味(酸・苦・甘・辛・塩)、
五色(赤・青・黄・白・黒)をそろえるように心がける。
体を冷やす食べ物(ビール、冷たい飲み物、アイスクリームなど)は
なるべく避け、水分の取り過ぎにも注意。
「孫は優しい(マメ類、ゴマやナッツ類、ワカメ、ヤサイ、サカナ、
シイタケのキノコ類、イモ類)」
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◆「冷え」チェックリスト

□手足が常に冷えている
□時折、頭痛がある
□顔色が悪い
□冷房が苦手
□目の下にクマができる
□少しの運動で息が切れる
□夜、熟睡できない
□夜中、トイレで目を覚ます
□低血圧
□体温が36度以下
□肩こり、腰痛、ひざ痛、下痢気味、便秘気味、疲れやすいなど
 症状が一つでもある
□いらいら。集中力がない

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/5/116955/

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