(読売 2月27日)
学校と家庭が情報を共有し、理解を深めている。
「ありのままの学校」を見てもらおうと、
名古屋市立城山中学校は毎年、教員と保護者が連携、
「城中NAVI」と題したガイドブックを発行。
A4判75ページ、生徒会の仕組み、学校運営予算、
学校評価の結果など、各教科の学習目標、通知表の見方まで
学校の情報を満載し、全生徒の家庭に配っている。
発行が始まったのは、2005年。
「新しい学校づくりには、情報の共有が大切」と、
教員が提案して実現。
保護者や生徒へのアンケート調査や、保護者を交えた
編集会議で要望を把握し、掲載内容を毎年見直し。
2010年度版には、新型インフルエンザの対応を加える予定。
保護者への連絡事項は、その都度、教諭が配る
学級だよりなどで伝えることが多い。
プリントが、かばんや机の中に入ったままになったり、
散逸して必要な時に取り出せなかったり。
冊子にすることで、必要な情報が届かず、
トラブルに発展することを防げる。
編集にかかわるPTA役員の和泉早苗さん(44)は、
「NAVIを読んで、もっと知りたいと思うことがあれば、
授業参観などで学校に来て、先生とコミュニケーションを
とりながら情報を取ることも大切」
保護者が学校に抱く疑問を解消し、教師も対応力を学べる
ホームページがある。
教育関連の編集プロダクション「コンテクスト」が開設する
「ティーチャーズ・オンライン 先生のミカタウェブ」
(http://www.teachers-online.jp/)
学級だよりの文例を、季節や学年ごとにそろえた。
専門家の助言を受け、事例を基につくったゲームでは、
選択肢を選びながら、保護者対応のポイントをつかめる。
同社社長の佐藤明彦さん(37)は、
「理想は、隣に座る先生に聞くのが一番だが、
教員採用が一時期滞った影響で、エネルギーのある
キャリア10年ぐらいの先生が少なく、若手が孤立。
そうした先生たちに、少しでも役立ててもらえれば」
もう一つの目的は、学校を知ってもらい、
教員の負担を軽くすること。
新人教師は、授業をよく休む。
背景に、初任者研修があるのだが、事情が分からない保護者は、
「あの先生は何をやっているんだ」という話。
意外と知られていない「学校の謎」を解き明かしている。
監修した日本大学の佐藤晴雄教授(社会教育学)は、
「学校と家庭の認識のズレを放っておくと、クレームにつながる。
学校の姿を外にさらすことで、風通しがよくなり、苦情も少なくなる」
学校支援ボランティアの活用も、その手段の一つ。
学校、家庭、地域が互いを知り、誤解を防ぐ土壌を作ることが、
円滑な学校運営を促す。
◆学校支援ボランティア
学校運営に役立つ知識や経験を持ち、教育や校務の手助けをする人。
ボランティア希望者を登録し、目的にあった人に依頼する方法など。
地域との協働で、「開かれた学校」の推進につながり、
各地で取り組みが進んでいる。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100227-OYT8T00265.htm
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